2004-10-01から1ヶ月間の記事一覧

リーグ・オブ・レジェンド(スティーブン・ノリントン)

思いのほか面白かった。随分不評だったので、殆ど期待せずに観てみたら。 キャラクターは過去の名作からのいただきで、名前以上の奥行きはまったくといっていいほどないのだけど、こういうB級アクション(予算的にはA級でも)の登場人物としては差し支えな…

わたしはロボット<創元SF版>(アイザック・アシモフ)

子供の時分に読んだ時は非常に面白かった印象があったのだけども。 今回は直前に「ロボットの時代」(ハヤカワSF版)を読んで、そちらが大変面白かったのでちょっと肩透かしの印象。世間的な評価はこちらの方が高いのだろうけど、訳文が硬いせいか、自ら課…

バスと不意打ち

昨日バスに乗った時、回数券を買おうとしたら運転手にタメ口きかれてビビッた、というかショックだった。それが例えばおっちゃんだったらまあある種の親しさ表現ということで「あり」だったかもしれないが。いやそういうことじゃなかった、年齢ではなくてニ…

恋の門(松尾スズキ)

久しぶりに変なもん見た・・・と微妙な気持ちになる作品だった。まあ毒にもクスリにもならないような凡庸なものよりも、何かしら揺さぶられる方が観た甲斐はあるというものかもしれない。 まず、舞台の呼吸で演出されているのが違和感というかこそばゆい感じ…

ビートル・ジュース(ティム・バートン)

友人にゴスとは?と尋ねられ、サンプルとしてこの映画のヒロインとして登場するウィノナ・ライダーが典型と紹介したのだが、映画の内容を説明しているうちにまた見たくなって。初めて見たのは中学生の時で、それ以来ちゃんと観たことはなかったにも関わらず…

シャレード(ジョナサン・デミ)

なんだか訳の分からない映画だった。あまりそちら方面に明るくないものでよく分からないのだけれども、あれはヌーベル・ヴァーグのパロディだったのでしょうか?気がついたものを挙げると、登場人物としてアンナ・カリーナ、シャルル・アズナブール→「ピアニ…

アイデン&ティティ(田口トモロヲ)

原作の再現度は非常に高いけれど、映画単体としてみたら残念な出来であった。思うに、監督が役者でなく、ばちかぶりのトモロヲとして対象にベッタリ寄り過ぎて、物語を相対化できなかったためである。こんなのはロックじゃない、といつも苛立ち、そのくせそ…

お母さんの恋人(伊井直行)

お母さんとお父さんが出会ったとき、お母さんは三十六歳だった。お父さんには物心つくまえからの友人がいて、ふたりは十七歳だった・・・というモノローグで始まる、ある愛の物語。この語り手は主人公たちの娘である。その彼女が時々「地の文」に顔を出した…

ヘルボーイ(ギレルモ・デル・トロ)

ブレイド2は雇われ仕事で、ヘルボーイのためのウォーミングアップさ、とうそぶいていたトロ監督。ブレイド2はそれにしてはいい仕事してたなあ、最後ちょっと失速気味だったけど。という印象だったのだけど、ジャスト同じ感想である。要するに、ガジェット…

ロボットの時代(アイザック・アシモフ)

久しぶりに短篇の醍醐味を堪能した。つまるところアシモフのロボットもの短篇は、「ロボット3原則」というしばりを設けた上で、それが破られた(かに見える)状況がいかにして現出したのかという謎を、スーザン・キャルヴィンという探偵が論理的に解決する…

太陽の塔(森見登美彦)

大学時代を懐かしく思い出した。その時代を通過してきた人みんなが、何かしら心当たりのある風景に出会える作品ではないだろうか。ただ処女作であるからして、技術的な側面からすると「大学のサークルの面白い先輩(後輩)が部の雑記帳(大学ノート)にいつ…