2010-01-01から1年間の記事一覧
邦題は目を惹くタイトルで手にとってもらおうという狙いなんだろうけど・・・チャック・パラニュークの『チョーク』の映画化です。センセーショナルな要素で読者(観客)を撹乱しながら、最後は人の心の核心に迫るようなグッとくるポイントに収斂させるとい…
今年出た本、ではなくて、個人的に今年読んだ本のベスト5です。振り返ると(映画も豊作でしたが)今年は手に取った本がみなどれも面白くて、充実した読書ライフだったように思います。(相変わらず量は読めなかったけれども・・・)普通だったら確実に5位…
ユアン・マクレガーは「究極の選択に追い詰められて茫然自失、目があらぬ方向を見ている、というアップ」が歌舞伎の見得のように「いよっ」と声をかけたくなるようなキメの演技になってきたような。(実際にはそうでもないのかもしれないけれど、イメージと…
冒頭、かなりの分量を割いて主人公フランクの送る日常の描写が続きます。ここから分かるのは彼が些細なことも疎かにしない「流儀」のある男だということ。思い出したのは『高く孤独な道を行け』で、ニールが師であるジョー・グレアムの「靴磨きや朝食を作る…
ご存知『スピード』の元ネタです。観るのは初めてだったけど、なるほどこれは傑作。犯罪サスペンスは追う側と追われる側、双方に感情移入できたほうが当然ドラマとして盛り上がる訳で、観客に対する感情のフックとなる設定もなかなか良く出来ていました。(…
ずっと好きで使っていたビトイーンMaxiというライオン歯ブラシのフラッグシップモデル(大袈裟)が廃番になったらしく、その後いろいろなメーカーのものを試してみたのですが(電動歯ブラシは充電やらが面倒で止めてしまった)、なかなかあのツルツル感…
ロビン・フッド映画としてはケビン・コスナー版がアプローチとしては正解なんだろうけど(結構好きでした)、そもそも前日譚なのでおなじみのキャラがどのように登場してくるかという点を楽しむべき映画なんでしょうね。しかし長尺であるにも関わらず、観終…
アラスカの片田舎バロウは明日から1ヶ月、昼夜を問わず闇に包まれる極夜を迎えようとしていた。突如として頻発する不可解な事件。時を同じくして、素性の知れない「よそ者」の一団が町を訪れる。彼らは好機に乗じたヴァンパイアだった。圧倒的に不利な状況…
リメイク版を観終わって時間が経ってみると、画作りの上手さや脚本の巧みさを反芻するうちに自分の中での「傑作度」が上昇してきて、これはオリジナルの方も復習しなければ、と今回観てみました。以下、異同を含む新旧比較してのメモです。 ・まずオープニン…
うーん・・・「新訳」は完全にひとつの市場になったけど、「新訳」のよくない側面が出ているといった印象。堅い調子のいわゆる翻訳文体が嫌いじゃないという個人的な好みは差し引いても、間違った方面に迎合するような翻訳が・・・ちょっと如何なものか?ま…
ウォシャウスキー兄弟の名前、久しぶりに聞いたよなと気になっていたのですが、今になってようやく観ました。『ヴェンデッタ』も割と好きだったので結構期待したのですが・・・ 邪推するにボーン・シリーズの方法論でニンジャ映画やれるんじゃないの?という…
スティーヴ・マーティンは好きなコメディアンだし、監督と組んだ『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』も大好きなんだけど、まだこの映画は観ていませんでした。女性相手の詐欺を働くサギ師同士の小競り合いをめぐるコメディ。 「ベテランに対して勝負を挑む…
検死医のデイビッドは、ある日の殺人現場で特殊な折られ方をした紙マッチを発見する。それはかつて彼の妻が殺された現場に残されていたものに酷似していた。「脳髄液を注射することで他人の記憶を再現することができる」という研究を知った彼は、同一犯と確…
近作の『恋文の技術』や『宵山万華鏡』は安定していたものの手癖だけで書いている感があって、自己模倣の袋小路でこのままやせ細ってしまうのだろうか、と心配していたのだけれど、杞憂でした。よかった。 新興住宅地に暮らす「ぼく」は、日々の研究に余念が…
マッキントッシュはダンケルドやダウンフィールドみたいな、毎年マイナーチェンジを繰り返しながらも屋台骨を支える定番商品という路線と、需要を探るようなチャレンジングな企画という二つの方向性があるけれど、ピーコートに関しては時々のトレンドを取り…
超能力もののクラシックとして押しも押されもせぬクローネンバーグの『スキャナーズ』ですが、なんの先立つこと7年、日本には『エスパイ』があるぜ!と、言いながら実は今まで見たことがなかったので、見てみました。 由美かおるのヌードシーンが世の好事家…
ディスカスさんの計らいで図らずもシン・ハギュン2本立てになりました。ところで英語タイトルは「Thirst」。その昔館ひろしが「サースティ」って格好よく言うポカリスエットのCMがあって、なんとなくそのせいで自分の中では爽やかな方に分類されている言…
映画公開にあわせた日本独自編集の短編集(という企画だったもの)。超定番の「二万フィートの悪夢」はさておき、概ね水準作といった感じで、おっ?となる未読作がなかったのが残念。(個人的には『激突!』が粒ぞろいで良かったのですが。確か文春文庫の『…
ビョングは、地球を侵略せんと虎視眈々と計画を進めるアンドロメダ星人に対して、孤独な戦いを挑んでいた。一方、彼に拉致された会社社長を救出するため、警察も捜査を開始するのだが・・・ オフビートなクライム・コメディと見せかけて、演出の呼吸は完全に…
各方面で激賞されていたので期待値がやや上がりすぎていたのかも・・・思ったよりあっさりな読後感でした。ただクライマックスに向けてドライブされるストーリーテリングの妙は、さすがに筆者だけあって安定感がありました。(顧みるに『ボビーZ』はこの作…
遺伝子の異常で意思と無関係に時を移動してしまうヘンリー。彼と不思議な縁で知り合った少女クレアはいつしかヘンリーに運命的なものを感じ、やがて二人は結ばれる。しかし互いに了解していたはずのタイムトラベルの症状は彼らの家庭に影を落とし始め・・・ …
オリジナル作品において濃厚だったのが、「右肩上がりの景気を前提にした企業間闘争」という当時の現実の空気を反映した「組織の中で生きるということ」というテーマだったそうですが(これから借りて復習する予定)、今作ではこれまた世相を反映して、長期…
考えてみたら今日は奇しくも体育の日ではないか!(正確には違うけど、昭和世代にはハッピーマンデーはシックリこないのです。)今日、ようやく第一段階のブレイクスルーを迎えた、というか補助輪なしで自転車に乗れた、感覚を掴みましたので、簡単なメモを…
(前回までのあらすじ)この夏の異常な暑さに耐えかねた観葉植物を3鉢駄目にしてしまった私。しかしあまりの殺風景さに、新しいものが欲しいと思案に暮れていたのだが・・・ 今までいろいろ育ててきて、「もうあなたとはやっていけません。さようなら」と書…
快楽中枢と思しき箇所に電極を差し込まれたマウスが、電極に接続されたボタンを何度も押している、かの如く再生を繰り返していました。僕が。何かというと、少女時代の「gee」などのPVなんだけど。聞きしに勝るダンスの精度に本当に驚きました。 それはさ…
アンソロジーはやっぱり玉石混交ということが多くて、特に(この短編集もそうですが)「発注系」ではまあ3つくらい良いなという作品があれば上出来だと思うのだけど、そういう意味では十分以上に充実していたという印象でした。 さて、今回のくくりは「ポー…
アメリカからオックスフォード大にやってきた留学生マーティンは、著名な数学者セルダム教授の熱烈な信奉者だった。知遇を得るためあらゆる機会を利用するマーティン。しかしそんな矢先、下宿先の女主人が殺されてしまう。しかもそれは連続殺人事件の始まり…
17歳のレフは死んだドイツ兵からの略奪行為でソ連軍に捕まってしまうが、あわや処刑かと思われた時、同房の青年脱走兵コーリャと共に奇妙な任務を負うことで猶予を得る。それは軍の大佐の娘の結婚式のために、卵を一ダース、5日以内に調達するというもの…
流行ってると聞けば、パッチポケットのネイビージャケットからインフルエンザまでとりあえず乗っかってみることを旨としてきたので、この夏もご多分に漏れずGTAのウォッシュドカーゴを買ってしまったのですが。(予想以上に使い勝手がよくて重宝しており…
見る前は、ハードコアでハードゴアな最近の韓国映画のトレンドに則った話なのかと思っていたのですが、そういう一点突破的な方法を採らずに、一見地味で丁寧な描写を積み重ねていきます。 まず(繊細なようで結構無神経な)主人公を初めとした全ての登場人物…