2007-12-01から1ヶ月間の記事一覧

狐になった奥様(デイヴィッド・ガーネット)

良家の出身であるテブリック夫妻は、結婚して数年たった今も恋人のような中睦まじさだった。いつものように散歩にでたある日、突然妻のシルヴィアが狐に変身してしまう。それでも従前と変わらぬ愛を注ごうとする夫だったが、狐となった妻は内面までも野生化…

パフューム−ある人殺しの物語−(トム・ティクヴァ)

世界幻想文学大賞受賞作『香水』の映画化。堂々たる大作で、『ラン・ローラ・ラン』を見たときは面白かったけれど「またタランティーノ・フォロワーか」というイメージしかなかった監督だったので、そこが一番の驚きだった(『ヘヴン』は未見)。 まずもって…

アイ・アム・レジェンド(フランシス・ローレンス)

大風呂敷を広げた割りにはこぢんまりした印象でした。同じ内容なら低予算で『28日後・・・』がもっと上手いことやってたなぁという感もあり。※ネタバレ注 ただ、ショッカー演出に関しては(音響効果の進歩の恩恵もあってだと思うけれど)かなり巧かった。…

カードケース

入社時に買ったきりの名刺入れが10数年の時を経て大分痛んできたので、思い切って購入しました。エッティンガーのカードケース。色はシックにネイビーで。(色が白とか素材がパテントレザーみたいなトレンド寄りのものは旬が短そうなので。)でも内側の黄…

千の脚を持つ男―怪物ホラー傑作選(中村 融編)

表題作の『千の脚を持つ男』は海野十三あたりの南洋怪異譚を想起させる懐かしいテイストの作品(舞台はほとんど街中だけど)。なんでも作者のフランク・ベルナップ・ロングはクトゥルー同人(同人?)では有名な寄稿者だそうです。いわれてみるとなるほど。 …

幻想と怪奇2−宇宙怪獣現る−(仁賀克雄編)

不思議とこども絡みのネタが多い。ホラーアンソロジーの第2弾(復刊)。 こどもが主人公の幻想小説といえばレイ・ブラッドベリ。ごく幼い日の夢とも現ともつかない日常を描かせたら右に出るものはいない作家ですが、この短編集にも収録されています。『トラ…

コワイ女(雨宮慶太、鈴木卓爾、豊島圭介)

オムニバスなんだけど、とにかく『鋼』が突出してよかった。不条理としかいいようがない、つじつまの合わない話で、目が覚めてから全容を思い出そうとしても霞が掛かったように茫漠としてるんだけど、性的な要素だけは妙に生々しくて・・・という、つまり夢…

線引き

ユリイカ11月臨時増刊号は荒木飛呂彦特集だった。僕は『魔少年ビーティー』の頃からのファンだけど、よく知られるように、作者は作中で映画や小説からの引用というかオマージュ的な描写を登場させることが多い(ex.『激突』『極大射程』)。意地悪な言い方…

HAZE(塚本晋也)

塚本監督は「とりみだしながらも一生懸命なオッサン」を撮るときがやっぱり最高ですね。 とはいえ、結末があまりにも理に落ちすぎというか・・・そうでもしないと収拾がつかないような話ではあるのだけれど。なんか仏教説話みたいだったよ。 ☆☆☆

ゴッドファーザーPARTII(フランシス・F・コッポラ)

最近のTVのロードショーは近日公開の映画のプロモになってしまって、「押さえておきたい名画」的な作品はとんと放映しなくなったよなぁ、という感慨のもと、よく考えたら大人になってからこの映画をちゃんと観てなかったことに気付いて借りてきました。 作…

コベナント(レニー・ハーリン)

『花より男子』がハリウッドで映画化、しかも監督はレニー・ハーリンだって!? って書いたら導入としてはキャッチーかなと思ったけど、やっぱり無理があったかな・・・庶民派の女の子がハイソな学園でイケメン4人と仲良くなるという話だから間違いでもない…

【新釈】走れメロス他四篇(森見登美彦)[rakuten:book:12005528:image]

文字通り正真正銘の企画もの。作者のビブリオグラフィー的にも今のタイミングしかありえない。 名作の誉れ高いクラシックを森見流に再話。基本的にプロットは(本質的には)同様なんだけど、そこから提示される結末は全く別の解釈で・・・ということはなく、…