2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

十三人の刺客【オリジナル版】(工藤栄一)

リメイク版を観終わって時間が経ってみると、画作りの上手さや脚本の巧みさを反芻するうちに自分の中での「傑作度」が上昇してきて、これはオリジナルの方も復習しなければ、と今回観てみました。以下、異同を含む新旧比較してのメモです。 ・まずオープニン…

【新訳】チェーホフ短篇集(編訳:沼野充義)

うーん・・・「新訳」は完全にひとつの市場になったけど、「新訳」のよくない側面が出ているといった印象。堅い調子のいわゆる翻訳文体が嫌いじゃないという個人的な好みは差し引いても、間違った方面に迎合するような翻訳が・・・ちょっと如何なものか?ま…

ニンジャ・アサシン(ジェームズ・マクティーグ)

ウォシャウスキー兄弟の名前、久しぶりに聞いたよなと気になっていたのですが、今になってようやく観ました。『ヴェンデッタ』も割と好きだったので結構期待したのですが・・・ 邪推するにボーン・シリーズの方法論でニンジャ映画やれるんじゃないの?という…

ペテン師とサギ師 だまされてリビエラ(フランク・オズ)

スティーヴ・マーティンは好きなコメディアンだし、監督と組んだ『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』も大好きなんだけど、まだこの映画は観ていませんでした。女性相手の詐欺を働くサギ師同士の小競り合いをめぐるコメディ。 「ベテランに対して勝負を挑む…

アンフォゲタブル(ジョン・ダール)

検死医のデイビッドは、ある日の殺人現場で特殊な折られ方をした紙マッチを発見する。それはかつて彼の妻が殺された現場に残されていたものに酷似していた。「脳髄液を注射することで他人の記憶を再現することができる」という研究を知った彼は、同一犯と確…

ペンギン・ハイウェイ(森見登美彦)

近作の『恋文の技術』や『宵山万華鏡』は安定していたものの手癖だけで書いている感があって、自己模倣の袋小路でこのままやせ細ってしまうのだろうか、と心配していたのだけれど、杞憂でした。よかった。 新興住宅地に暮らす「ぼく」は、日々の研究に余念が…

マッキントッシュ:ピーコート(BROOM)

マッキントッシュはダンケルドやダウンフィールドみたいな、毎年マイナーチェンジを繰り返しながらも屋台骨を支える定番商品という路線と、需要を探るようなチャレンジングな企画という二つの方向性があるけれど、ピーコートに関しては時々のトレンドを取り…

エスパイ(福田純)

超能力もののクラシックとして押しも押されもせぬクローネンバーグの『スキャナーズ』ですが、なんの先立つこと7年、日本には『エスパイ』があるぜ!と、言いながら実は今まで見たことがなかったので、見てみました。 由美かおるのヌードシーンが世の好事家…

渇き(パク・チャヌク)

ディスカスさんの計らいで図らずもシン・ハギュン2本立てになりました。ところで英語タイトルは「Thirst」。その昔館ひろしが「サースティ」って格好よく言うポカリスエットのCMがあって、なんとなくそのせいで自分の中では爽やかな方に分類されている言…