2024-09-01から1ヶ月間の記事一覧

パリタクシー(クリスチャン・カリオン)

筋はふた昔前の浪花節であり、これっていい話なのかな?と思いました。「主人公たちにとって大事なこと」の前には市井の人々の日常生活に支障があっても免罪されるという傲慢さが見逃せなかった。あと根本的には、よく素性の分からないアメリカの兵隊に身を…

時の支配者(ルネ・ラルー)

82年のアニメーションなので、今の目で見ると物足りない部分はあるのですが(いや、しかし84年にナウシカがあり、そもそもカリオストロが79年ということを考えれば、作品としてそもそも動かすことには重きがないのかな)、妙な味わいはあると思います。やは…

ダークグラス(ダリオ・アルジェント)

こんなに丁寧に人物造形や交流を描写していたのは監督初めてでは?と思いました。理屈を超えた素っ頓狂な展開がないのは寂しいといえば寂しいけれど、悪くなかったですよ。 ☆☆☆

奈落のマイホーム(キム・ジフン)

いざ事故が発生する、という場面に到るまでの描写がやや長く感じましたが、結末で本当によかったね…(もしくは本当に悲しい)という気分にさせるための必要な段取りだったかな、と見終わった後では思いました。 途中で「ああ、これはポセイドン・アドベンチ…

ブラックアダム(ジャウム・コレット=セラ)

危機を救いに来ました面で現れたヒーローチームに対して、ヒロインが(圧制を敷かれている国民の声を代弁して)「本当に助けてほしい時になぜ手を差し伸べてくれなかったのか?あなたたちがいう破壊神(=主人公)が初めてそれを打破してくれたのだ」という…

鬼手(リ・ゴン)

エクストリーム囲碁アクション映画『神の一手』は、なるほど現在の韓国映画の勢いをもってして初めて成立するような絶妙なバランスの作品だなと感心しながら見たのですが(ばかばかしいほど漫画的だけど理屈を超えて確かに面白い、という案配)、そのスピン…

許されざる者(李相日)

面白かったし、安っぽいところもなかったのだけど、見れば見るほど、オリジナルの物語の結構の素晴らしさが際立つというか、あの映画はやっぱりよくできていたのだなと思いました。 今作の良かったところとしては、オリジナルはタイトルに反してマニーが許さ…

キオスク(ローベルト・ゼーターラー)

ナチスの台頭に対して最後まで純朴で真っすぐな心を失わなかったオーストリアの青年の青春の物語。時代的なこと、テーマも含めてケストナーの『ファービアン』に似ているな、と思いました。この小説は2012年の現代に書かれた作品ですが、あえてケストナー的…

イントゥ・ザ・ストーム(スティーブン・クォーレ)

地味な役者陣を見て、ああ特撮にお金をかけたかったんだなと最初は思いました。正直、登場人物たちの造形はステレオタイプで、典型を一歩も踏み出ることはないのだけど、異なる立場の人々が竜巻をきっかけに合流していく出し入れの手さばきが上手だから、パ…

メモリー(マーティン・キャンベル)

主人公の老年の殺し屋がアルツハイマーを患っている、という設定がほぼ全然活かされていない。役者陣は手堅いところを連れてきたからがなんとかしてくれるだろう…と製作陣が思ったのかどうかは知りませんが、話がしっかりしてないとそれは無理だよなあと思い…