2025-04-01から1ヶ月間の記事一覧
自主映画で一旗揚げようと考えた監督が、特撮が得意な友人も参加してくれることになったし、とても美人な女優さんも出てくれることになったし、これは傑作になるでー!と張り切ってはみたものの、肝心の脚本は普通だったから、映画も普通になりました、とい…
「白い果実」三部作の二作目です。前作はなんとも変てこりんな奇想に溢れてはいるものの、枠組みとしては冒険譚だったので血沸き肉躍る活劇の要素もあったのですが、こちらは記憶の中に築かれた島を巡る思索的な展開が専らであるため、いささか地味な印象だ…
高校の時に深夜放送で観たのが最初だったのかな?これはすごい傑作だ!と思ったものですが、それから30年弱の時を経ての再見。最初のイメージより冗長に感じましたが、サイコサスペンスの佳作ではあるなと思います。そもそも『エクソシスト』もホラーの範…
確かに、なにかしらアカデミー賞の部門を獲得してもおかしくないクオリティでした。(一方で、獲りにくい作品だろうな、とも思ったのですが。)そもそもクオリティ云々以前に要素全体の調和が素晴らしかった。脚本※1、プロダクションデザイン、音楽、そして…
結論を先に書くと前編の方がまとまりがあってよかったです。でもこちらもなかなかでした。 それを前提に、引っかかった点を挙げると、やはりTVムービー的軽さが拭えないこと(例:雨だれに過去の記憶を文字通り投影する演出。こういうのが気が利いていると思…
公開時に好評が聞こえていましたが、確かに面白かったです。豊川悦司の佇まいが何かを予め諦めてしまったかのような梅安の雰囲気に合っていたし、片岡愛之助演じる彦次郎のチャームがそもそも陰惨な話であるこの映画の救いになっていた(初めて役者さんとし…
世界のサッカーの一流選手のプレーを見ていても、すごく上手だな、という小並感しか述べることができないのですが、この本は名選手とされるプレーヤーがどのような技術でもってそのように目されているのか、を分かりやすく教えてくれて、勉強になりました。…
予告編から感じた「センセーショナルなこと」が狙いの作品という感じではなかったですね。ちゃんと見てみてよかったと思いました。 それと見た人それぞれの受け止め方はあると思うのだけど、少なくとも僕はヒロインのタシが、(それこそ宣伝が匂わせていたよ…
ホラーとして宣伝されているけれど、実際は「状況によって敵味方が入れ替わるタイプのクライム・サスペンス」の変数としてヴァンパイアが導入されている、という話でしたね。呉越同舟のサバイバルにモンスターが、という設定には『ドント・ブリーズ』や先日…
演者は魅力的だし、タイに到着するまではわくわくするところもあったのだけど、中盤からアクションで押していくだけで工夫のない雑な映画になったなという印象でした。よくある話なのは問題ないけど、やはり語り方なのかな。 (東京の場面に顕著なように)濡…
世間での高評価も納得のいい映画でした。低予算自主映画の思わぬ大ヒットということから『カメラを止めるな!』が引き合いに出されることもあったと思うのですが、こちらはツイスト勝負の脚本ではなくて、導入こそタイムスリップですが、全てにおいて愚直な…
できれば小学校高学年くらいから、若い人に読んでほしい。そして心を健やかにたもってほしい。 2020年に本の形にまとめられているのですが、先行する講演がベースになっているとのこと。コロナ渦で本当に世間が短絡な言論と政治に翻弄されていて、閉塞感があ…
近年は『モガディシュ』や『ベルリンファイル』みたいな規模の大きな物語を無理なく展開する手腕が評価されている印象のところ、今回はえらくニッチな舞台(海女さん!)を選んだなと思ったのだけど、さすがに手堅く痒い所に手が届く演出でとても面白かった…
最高でした。ディストピアものにして幻想文学。世界幻想文学大賞受賞も納得の作品(あえていえば受賞作品群に共通の匂いがします。あの感じです。)。『最後の三角形』や『言葉人形』が素晴らしかったので気にはなっていたのですが、あの密度で長編を読むの…