2025-08-01から1ヶ月間の記事一覧
短編集として収録されている5編は、読ませる工夫はあるものの正直若干もの足りないな、という印象だったのですが、書き下ろし中編かつ表題作として最後に配置されている「嘘と正典」はテーマと技術が両立している充実感があって高評価も納得の作品でした。 …
北朝鮮の覚醒剤(氷毒<ピンドゥ>)コネクションを舞台にした『我らが願いは戦争』について、作者のチャン・ガンミョンが『愛の不時着』を踏まえて、(北の特殊工作員である)主人公は演じてくれるならヒョンビンがいいなと言っていたのだけど、ここにきて…
話がゆるすぎてもはや昔のこども向けアニメだな、チャンピオンまつりだなと思いました。本当は相当世間に影響が出てそうな怪獣プロレスだったけれど、吹き飛ばされる車がおそらくわざとミニチュアっぽく撮られていることからもその印象を強めました。 ところ…
話題の映画ですが、なるほどすごかった。というかすさまじかったです。 作品としては、共感性羞恥というか、「どこで俺のことを見ていたんだ?」というようないたたまれなさすら感じる(経験してない仮想の青春を生き直すような)、リアルでみっともない大学…
『サッカー観戦バイブル』と並行して読んでいたのですが、こちらの本は図解などがないトークセッションなので、こちらだけだと素人にはポジションなどのイメージが難しかったと思うので、補完されてちょうどよかったです。対象とする時期的にも結構重なって…
『アナリシス・アイ』が悪い意味で新書らしい、文章も練られておらず、図解も中途半端なつくりだったのに比べて、用語の補足のみならず、ポジションの代名詞とされるような名選手まで脚注でフォローされていて、図解も分かりやすいし、初心者向けの戦術指南…
設定や出演者からいって『MAD探偵』の精神的続編ということになると思うのですが、あちらほど響いてくるものがなかった、という印象です。ものすごく奇矯な出発点から、最後は不思議なペーソス、センチメンタリズムに着地する、というのはやはりジョニー・ト…
映画原作で「ファーストコンタクトもの」の古典、という知識だけはあったのだけど、陰鬱で難解な思索系SFかと思いきや、西欧的で洗練された洒脱な作品だったから、読んでみないと分からないものですね。(タルコフスキーとソ連というキーワードに引っ張られ…
史実に材を採ってディテールを膨らませるという点では、先日観た『ソウルの春』と大枠では同様ですが(というかこちらは飛躍がすごいけど)、韓国映画はやっぱりこういうの巧いなと思いました。評判だったのも納得です。 ただ、冷静になってみるとエピソード…
『P2』の監督だったんですね。若い女性が追い詰められるワンシチュエーション・サスペンスということでほぼ同じ話ではあるのですが、今作の特徴はイデオロギーの衝突がテーマとして前景化していることと、主人公の造形が必ずしも観客の共感を得られないもの…