2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

プライドと偏見(ジョー・ライト)

いい意味で完璧な通俗小説。『ブリジット・ジョーンズの日記』はまんまこれの現代版リメイク、というか「すべての物語は全て語られてしまっている」という言い方があるとおり、ジェーン・オースティン作品というのはラブコメの原型なんだな、と思った。ダー…

海の上のファンタジスタ

ようやく寒グレゲット!足裏サイズはボチボチあがっていたけど、良型と呼べるやつは久しぶりだったっす・・・ ところで、魚の喰いが渋いときは合わせが勝負になります。「合わせ」が遅れると、餌だけかじられるか、運良く飲み込んでくれて喉の深いところで針…

特別料理(スタンリイ・エリン)

※ネタバレ箇所があります。 「奇妙な味」系作家としてよく比較されるダールは、文字通りの「予期せぬ出来事」に巻き込まれるという不条理劇の雰囲気があるが、エリンのほうはどちらかというと、欲をかき過ぎたり我を張りすぎたりという人間誰しもが持ってい…

東京タワー(リリー・フランキー)

昨日ドラマが放送されたので。 正直、女の子を「獲りに行く」ときのトークがこんな感じなんだろうなぁというシラケ気分が先にたって、素直に読めなかった(しかるに泣けなかった)。リリーさんのコラムは大好きなんだけど。 そして昨日のドラマ。エピソード…

萎えること

今週のSPAの「坪内祐三と福田和也の文壇アウトローズの世相放談」で高校の未履修問題に関して、歴史研究の「アナール学派」について言及している箇所があった。注釈では「地理的条件を重視するのが特色」ということになっていたけど、(間違いじゃないにして…

11の物語(パトリシア・ハイスミス)

まず最初に、短編集であるにも関わらず最後まで読み通せなかったことを報告いたします。 なんというか、迫真の内面描写が生々しすぎて。世知辛い世の中だから、せめて娯楽の読書だけは現実逃避できるようなノホホンとしたものが読みたいと考えている僕にとっ…

夜の旅その他の旅(チャールズ・ボーモント)

『トワイライト・ゾーン』に関連した文章でよく目にする名前ではあったけれど、実際読むのは初めての作家。それもそのはず、邦訳された著作はこれ一冊だという。(しかも38歳の若さで亡くなっている。)「異色作家短編集」の復刊ありがとう。 トワイライト…