2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

プレスリー対ミイラ男(ドン・コスカレリ)

多分ソフト化されている監督作品は全部観てるはず。ホラーファンタジーなんだけど、不思議なペーソスが通底している気がして。この作品は特にその感触が濃厚でした。 人生の終着駅感あふれる老人ホームで、ただ繰り返される日常に流されるままになっている、…

暗号解読(サイモン・シン)

著者の本は鉄板と聞いて。なるほど読ませます。テーマごとの列伝形式になっているのでメリハリがあってよかったですね。世界史専攻の身としては、やはりシャンポリオンのロゼッタ・ストーン解読のくだりが面白かった。 第二次世界大戦を背景にした作品で好ん…

パーマーの危機脱出(ガイ・ハミルトン)

オースティン・パワーズの眼鏡の元ネタである、という情報との関連でしか正直知らなかったので、007フォロワー的なお気楽な映画なんだろうと思い込んでいたのだけど、なんの、ニヒリスティックなトーンが支配する正統派エスピオナージュでした。※ 冷戦下…

終点のあの子(柚木 麻子)

最近、①学校を舞台にした、②コミュニケーションの困難さをテーマとしている、③女性作家の作品が目立つ気がします。自分が見たり読んだりした範囲だけでも『太陽の坐る場所』『告白』、そしてこの小説。 クラス内のグループ同士の暗闘やヒエラルキーといった…

(500)日のサマー(マーク・ウェブ)

誰か小説家だったか評論家の方が、青春の1冊として『赤と黒』を取り上げてレビューを書いていた中で、「思い出すだけで恥ずかしくて、悶えのたうつような、自分の実体験をありありと思い起こさせてくれるような作品、それ即ち青春小説ではないだろうか」と…

インセプション(クリストファー・ノーラン)

本来『メメント』的な規模でさらっと撮るのが望ましい話であるところを、監督や出演者の格とか、『ダークナイト』の後だからといった事情で、物語上要請される以上の規模の作品になってしまった、という印象でした。もちろんビッグバジェットのおかげで撮れ…

トイ・ストーリー3(リー・アンクリッチ)

聞きしに勝る完成度。本当に素晴らしかったです。以下感想メモ。 ・アンディは好青年に成長しましたね。 ・台車が転換する時、硬質プラスチックの車輪があそぶ感じや、建物の外縁のアルミフレームがキュッと歪むところなど、確かにそんな感じ!しかしなぜそ…

プレデターズ(ニムロッド・アーントル)

監督作『モーテル』がタイトなサスペンスの佳作だったので期待してたのですが・・・以下感想メモ。(ネタバレあり) ・訳も分からずバトルゾーンに放り込まれて途方にくれる、という導入はいいと思うのだけど、物語を推進する「人物のモチベーション」の設定…

シャレード(スタンリー・ドーネン)

ジョナサン・デミのリメイクはヌーヴェル・ヴァーグのパロディなんかでやりたい放題のシュールな映画になってたけど、昔TVのロードショーで見たオリジナルはヒッチコック風のロマンチック・スリラーで面白かったよなあ・・・と久しぶりに観てみたら、なん…