2024-08-01から1ヶ月間の記事一覧

ゴーストマン 時限紙幣(ロジャー・ホッブズ)

強盗の現場で「化ける」ことを生業にした男が、過去の因縁でかつての雇い主に呼び戻される。「爆発する仕掛けが施された120万ドルを取り戻せ」それは対立する組織の間での綱渡り、死をかけたゲームの始まりだった… ちょっと期待しすぎたかな。いわゆるクライ…

ツイスターズ(リー・アイザック・チョン)

僕の世代だと、『ツイスター』はあまりにも大規模化した映画製作費の捻出のために、まさかのワーナー、ユニバーサルの相乗り製作ということが話題になったのを覚えていると思います。なんでまたこれだけ間が空いての復活企画が?とも思うけれど、直球で作る…

THE FIRST SLAM DUNK(井上雄彦)

2回目だったのですが、なぜか今回の方がグッときました。最後の20分くらいはずっと涙していた気がします。 弱点は、前回観た時と同様、やはり登場人物(特に主人公宮城とその母)の葛藤に映画を支えるほどの厚みがないと感じられること。直接の描写は点描と…

ガットショット・ストレート(ルー・バーニー)

コンゲーム風クライムノベルというのか、原著は2010年発表とのことですが、もっと前ならそういう気分だったかもと愛でられたかもしれませんが、当時ですら既に「こういう感じ」は凡庸だったんじゃないかな… というのと、ファムファタールであるジーナについ…

ピラニア(ジョー・ダンテ)

アマゾンに入っているのを発見して、いわば2に当たるキャメロンの『殺人魚フライングキラー』は見ていたのだけど、本家のこちらは見てなかったなと思い見ました。 まず演出が手堅い。前半で怖がらせる段取り(襲われるとどうなるか)を丁寧に見せているので…

ドント・ウォーリー・ダーリン(オリヴィア・ワイルド)

『ブックスマート』は確かに新しかったけれど、この作品からすると残念ながらフロックだったのか、と思わずにいられない。バスビー・バークレーやバーレスク、洒落た郊外生活など凝った意匠も上滑りしていて、特に語るべきことがないなら作ることなかったの…

バリ山行(松永K三蔵)

最近、芥川賞って出オチ的なタイトルやペンネームが多かった印象なのでその類かなと敬遠していたのだけど、梗概を読むとそうではなさそうなので読んでみた次第です。近年の芥川賞(読んでいる限り)では久しぶりに王道な感じでよかったですね。昭和の時代の…

レッド・ドラゴン(ブレット・ラトナー)

久しぶりに見てみました。役者陣は上手だし、当時ひとしきり出そろった「サイコキラーもの」の要素は押さえているので、娯楽作としては手堅く面白かったです。というのは前回見た時と同じ感想なのですが。あとこの頃なぜかやけにエミリー・ワトソン出てたよ…

持続可能な魂の利用(松田青子)

この小説で定義される「おじさん」のおぞましさは全くその通りだと思うのだけど(私もいつも気持ち悪いと思っている。本当に。)、対置されるアイドルグループのセンター某が、控えめに言っても下駄を履かされすぎだし持ち上げすぎなので、非常にしらけまし…

ババウ(ディーノ・ブッツアーティ)

気が利いたオチのつくショートショートとするならばよくできている短編集ということになるのですが、自分がブッツアーティに求めるものは細部が異様にクリアな夢のビジョンなので正直ちょっと物足りなかったですね。 ☆☆☆1/2

アステロイド・シティ(ウェス・アンダーソン)

まずこの作品は「演劇」であるという枠物語の設定が必要だったのか?というのが疑問でした。加えて、極端なレイアウトと演出がこれまでの監督作品の特徴だったけれど、それをもっと推し進めてもはや「リアルな俳優が演じるストップモーション・アニメーショ…