2007-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ゴーレム100(アルフレッド・ベスター)

途中、エンターテインメントの手練手管で盛り上げておいて、結末で哲学的な問いかけをお客さんに放り投げたまま「・・・ンン?」ってなっちゃう作品をエヴァ的とするならば、これはまたものすごくエヴァ的作品だったなあと。(もうそういう言い回し、僕自身…

ゆれる(西川美和)

劇中、「主人公であるオダギリ・ジョーのセックスシーンのクライマックス」→「ガソリンスタンドの給油」というシークエンスがあるんだけど、今時こんなつなぎ方するのか!と思った。というのも、中学校時代、深夜に親の動向を窺いながら息を殺して見ていた『…

プラダを着た悪魔(デビッド・フランケル)

彼氏役のエイドリアン・グレニアーが山田孝之に見えて仕方がなかった。 『マイ・フェア・レディ』『プリティ・ウーマン』の系譜に連なる、外見が洗練されるとともに本人自身が磨き上げられるという話。外見の洗練=内面の向上という話は男が主人公の作品では…

「21世紀を夢見た日々〜日本SFの50年〜」

10月21日(日)にNHKで放送されるETV特集のティーザーが先ほどありました。小山薫堂の呼びかけに不完全なアンドロイド的佇まいの栗山千明が答える、といったつくり。つまり全体として『ボッコちゃん』をイメージしてる。なかなか気が利いてるな、と思…

虐殺器官(伊藤計劃)

作者のブログに頻出する要素を見ていると、展開や結末はある程度予想される物語ではある。特に『セブン』でいうジョン・ドゥ的な在り方(それよりもっとそのものズバリの映画もあるけれど・・・)に対する憧憬などは、(ネットで批判が散見されるけれど、個…

キングダム−見えざる敵(ピーター・バーグ)

『ブラック・レイン−サウジ編−』みたいな映画だったすね。 「9.11以降に自覚的な作品」「ハリウッドのメジャー作品にしてはバランスの取れた世界観」、みたいな決まり文句が9.11以降に作られた(特にアクション)映画ではそれこそうんざりするほど繰…

魔物を狩る少年(クリス・ウッディング)

プロシアの飛行船に壊滅的な打撃を受けた戦争も終わり、ようやく復興の途についたヴィクトリア朝のロンドン。しかし産業革命に沸く大都市の影では、魔物や切裂き魔が跳梁していた。魔物狩りを生業とする若干17歳のサニエルは、ある日何者かに魅入られた美…

ウエスト・ワールド(マイケル・クライトン)

最新のテクノロジーの粋を集めたテーマパークが、コントロール装置の不具合により暴走、って『ジュラシック・パーク』と同じ話やん!まあそれ以前に定番でもありますが。ユル・ブリンナーがどういう気持ちで演じていたのか(想像させられるの)が一番の見所。…

宇宙戦争(バイロン・ハスキン)

それで、おまけとしてオリジナル映画版がついてた。名作とは聞いていたが確かに傑作。ただ、「どんな存在ともコミュニケーションは可能なはず」と信じて対話を試みる牧師さんをあざ笑うかのように瞬殺するカットとか、ガイガーカウンターがゴリゴリ反応して…

宇宙戦争(スティーブン・スピルバーグ)

DVDで再見。映画館で観たときの終末感や絶望感が10分の1くらいに。やっぱり映画館でみるべき映画というのはあるものだな(EX.『トゥモロー・ワールド』)、と思ったことでした。 ☆☆☆☆

リトル・ミス・サンシャイン(ジョナサン・デイトン、ヴァレリー・ファリス)

ペーソスという日本語ナイズされた英語を聞いたときに、反射的に想像するような物語でした。 ところでアラン・アーキン以上に、スティーヴ・カレルが素晴らしい。押さえた演技なのににじみ出るものがある。こんなに静かで味わい深い芝居ができる人だったとは…

アヒルと鴨のコインロッカー(伊坂 幸太郎)

大ネタ使いには感心。でも率直にいうと最後までノれなかった。ネタ以外のネタバレありです。 ノれなかった理由は、なんというか漫画のラブコメ的な配置と造型の登場人物。逆にそういう感じが好きな人には堪えられないかもしれない。その一方で、問題になる事…

あるいは裏切りという名の犬(オリヴィエ・マルシャル)

タイトルから昔ながらのフィルムノワールを予想していたら、『スズメバチ』みたいなハリウッド的方向に洗練された仏アクション、の方だった。これはまずタイトルの勝利。ナイス邦題。 物語は時代に取り残された不器用な男たちの激突もの。ザックリいって「健…