リーチャーのシーズン4より面白かったです。こちらでもサム・ヒルとゲイリー・フレダーが第4話まで監督しているので、しかも脚本はショーランナーのニック・サントラが結構関わっているのであまり期待していなかったのだけど、リーチャーと並行して忙しかったはずだけど…と感心するとともに、ドラマって完成するまで分からないなと思いました。
物語そのものは、それこそリーチャーのS1に立ち返るような展開で、かつ面白さも比肩するほどでした。冒頭こそ「ニーグリーの私立探偵事件簿」みたいなこじんまりした肩肘張らない話になるのかな、と思いきや、結構最後は遠いところまで辿り着いたなという感慨を覚えるほどキャラクタージャーニーがあって見応えがありました。
ところで、もともとニーグリーはリーチャーに「完成された大人」として登場し、一種デウスエクスマキナ的活躍を見せる人物でした。とするとスピンオフの主人公としては、それ以上成長や変化をする余地がない、キャラクターアーク的な妙味には乏しい存在とも思われるのですが、こうして最後まで見てみると、少なくとも今回のドラマにおいては、非常に自己中心的でそれ故これまで危機的な状況を生き延びることができた孤絶した人物だったと思います。正直、他者を危機にさらして顧みない発言を平気でするので(一瞬視聴者へのミスリードかと思うほど)、共感しにくいキャラクターになっていました。
相対的に、登場時にはそれぞれ別の意味で感じの悪い印象と共に描かれるチームメンバーたち、家族にまつわる因縁を振り払いたい刑事、自らの社会的価値を証明したい探偵事務所の事務員、自立したいホームレスの青年が、人間味あふれる造形になっていて、今回のドラマに幅の広さをもたらしていたと思います。
とても面白かったので、スピンオフとしての続編を見たい気持ちはあるのですが、このメンバーでの他の展開は難しそうなので、次回こそ「事件簿」的な軽やかな小品でいいのではないかなと思います。
☆☆☆1/2