オフビートという表現でも生ぬるいような常道の話法を脱臼する語りで、まあこういう感じがいわゆる「ミニシアター系」というエコシステムの中でのみ育まれうる状況だったんだよな(1989年)、という感じです。全世界的にそうだったのかな?今ならどういう流通しかたをするのかな(ネット配信会社が製作?)と思ったり。ところで思い返すと、その余勢を駆って
☆☆☆
ステイサム映画というジャンルがあるように、マ・ドンソク映画というジャンルが確実にできたなと思いました。それにしても韓国映画のアクション演出の的確さは素晴らしいですね。最初ハリウッドの模倣で手探りから始まった頃からすると躍進著しいと思います。
☆☆☆1/2
もともとザック・スナイダーが手掛けたシリーズについてピンときてなかったけれど、残念ながらこの作品も同様でした。大味というのかな…それと個人的には『ザ・ボーイズ』のおぞましい世界観が影響して、ヒーロー映画のパロディみたいについつい見えてしまうのもよくなかったです。
☆☆☆
※ところで最後の場面で未知の植物が生い茂るのを良きものとして描いていたと思うのだけど、正直『カラー・アウト・オブ・スペース』にしか見えなかった。あの色合いでOKなのか?
失礼ながら今田竜二は僕がゴルフを見るようになった(というのはプレーするようになったということですが)以前に最盛期があった選手なのだけど、この本は所謂指南書というより今田選手のゴルフ観(ひいては人生観)から学べるものは?という実は変わった成り立ちの本です。
端的に言えば、
・ゴルフというのはショートゲームから組み立てるのが正解である。
・自分の実力を正確に認識し、できる範囲のエリアで一番リスクが低いところに打つべきである。
・練習でできないことが本番でできるはずもないのだから、まず練習せよ。特にパットを軽視するな。(バンカーショットはバンスで砂を撫で払うように打つべき。)
全部知ってる!しかしなぜか現場で実行できないのが問題!…というところですね。
ところでインタビュアーとの真摯なやり取りには好感を持ちました。ゴルフって難しいですよね。
☆☆☆
ドラマ映画ともスリラーとも言えないような名状しがたい奇妙な映画である時点で、傑作ではあるかもしれません。公開当時の評判から結末はなんとなく予想できたけれど、そもそも「シャロン・テート事件」を知らないと、この映画が狙っているカウントダウン・サスペンスが機能しないし、その先にある驚きもない訳で、そういう意味で「ああ、あの事件を扱う映画なんだな」とすぐにピンとくるような映画ファン以外は別にいいです、と振り切った作品だったのだと思います。
ところでタランティーノ作品について改めて思ったのは、「マージナルな存在、弱者に寄り添った映画である」という建前(免罪符)をいいことに、やっぱり差別的な表現や暴力を好き勝手に活用しているな、ということでした。よく言われるようにダイアローグの巧みさ、情緒不安定な人物が突然感情をあらわにする場面の面白さは確かにあって、画面に惹きつけられるのだけど、そういった部分で帳消しにできるほど上記の要素は作品にとって不可欠と言えるのだろうか?ということを疑問に感じました。
あと意外だったのは、タランティーノはむしろヒッピーに共感する側だと思っていたのだけど、辛辣な視線だったこと(今回は主題が主題だったから?)。それと、ブルース・リーに対しては熱心なファンだと思っていたのに、あんまりな扱いだったなということ(しかしこちらは実情としては分かるような気もする)。
役者陣は皆好演。マーゴット・ロビーは本当に何にでも出てるなという印象ですが、考えてみたら『ウルフ・オブ・ウォールストリート』のリユニオンでもあった訳で、あの時は僕はピンとこなかったけど、(ブラッド・ピットが評するように)正にサメの泳ぐ海を渡り切る女優だったのだなと思いました。
☆☆☆1/2
前作が結局「やつ」との対決だったということで、いつもの塚本作品だなというところがあったのだけど、今回はいやだいやだ…という雰囲気の醸成に徹したというか、明確な対決構図じゃないのが、よりJホラーだったのかなと思いました。(話はすっかり忘れてた。)大体役者さんの顔をわざと歪に撮っているのが怖い。と見せかけて、最後は主人公自身の生の肯定に帰着するのが、この頃からだんだん監督がそういうモードだったのかな、と想像されました。これも結構好きだな。
☆☆☆1/2