ゴーストバスターズ(ポール・フェイグ)

 先日見た「アフターライフ」はジュブナイルSF(特にスピルバーグオマージュとして)という側面からの80年代リバイバルだったけど、こちらは派手さと悪ふざけという切り取り方だったですね。(だからリメイク元の精神にはこちらが近い。)プラクティカル・エフェクト+光学合成的な見せ方にこだわっていたのも嬉しかった。

 あえて踏み込んだことを書くと、「シスターフッドもの」であることに胡坐をかいたような作りだと残念だなと思っていたのだけど(公開当時ネガティブなほうの評判もあったので)、全然そんな感じはなくてセリフも気が利いてて面白かったです。

 あとクリステン・ウィグがチャーミングでびっくりしました。ワンダーウーマンの時もこんな感じで撮ってあげたらよかったのに、と思ったけど、キャラクターの設定上難しかったのかな。

☆☆☆1/2

エベレスト(バルタザール・コルマウクル)

 オールスターキャスト映画※ということもあって、欧米版『八甲田山』だなと思いました。あ、だから『エベレスト』で合っているのか。

 すごい映像でしたね。実際に現場で撮影したという意気込みが反映していたと思うし、こういうことがありました、というある種素っ気ない語り口も好みでした。映画館で観ればよかった…

☆☆☆☆

※誰が出ているのかよく知らずに見たらびっくりするくらい贅沢でした。ところで監督は僕の偏愛する『2ガンズ』の人だった!全然ジャンルが違うけれど職人監督という感じなんですかね。

ジェントルメン(ガイ・リッチー)

 『ロック、ストック~』や『スナッチ』を今やるならという感じだったんですね。語り手たる探偵の脚色がだんだん過剰になってホラ話じみてくるのも面白かった。キャストがすごく贅沢で、最近「得体のしれない人物」の役がやけに多いマシュー・マコノヒーがやっぱりはまっていた感じでした。

 監督はフォロワーと呼ばれてたけど(実際そうだったけど)変にゴア趣味なタランティーノよりむしろ好きかな。あと小粋なファッションが板についてる感じもいいですよね。

☆☆☆1/2

※ジェレミー・ストロングって知らなかったのだけど、「大金持ちの気取ったクズ」という感じが上手でした。面白かったな。

最後まで行く(キム・ソンフン)

 すごく面白かった。ノワール・コメディという感じかな。どういう結末になるのか見ている間見当がつかないところがよかったですね。とにかく観客を面白がらせてやろうという作り手側の貪欲さが韓国映画の勢いを感じさせます。

☆☆☆1/2

※ところで、あれこの人チョ・ジヌン?いやそれにしては太りすぎだな、と思っていたのですが、キャストを改めて見るとやはりチョ・ジヌンでした。ふてぶてしさを感じさせるための役作りだったのかな。

ギャンブラーが多すぎる(ドナルド・E・ウェストレイク)

 ギャンブル好きの青年チェットはタクシー運転手。ところが、馴染みのノミ屋のトミーが鉄砲で殺されたことであらぬ疑いをかけられて、対立する二つのギャング組織から追われることに!そこにトミーの妹まで乗り込んできて…

 ギャンブラー、正直そんなに多すぎることはなかったですね。(タイトルとして気が利いているとは思うけれど。原題は「誰かが俺に借りがある」という感じでしょうか。)ヒロインがおきゃんなところとか、この感じ何かで…と思ったら岡本喜八の『殺人狂時代』でした。あと、トラブルの発端になった「勝ち馬情報」だけど、なんでお前が八百長を知ってるんだ!というのがギャングから追われる理由だと思って読んでいたのだけど、全然その話にはならなかったですね…

 すごく面白かったです。でも訳がちょっと読みにくかったかな。

☆☆☆1/2

神々の山嶺(パトリック・アンベール)

 日本の原作であるにもかかわらずバンドデシネのアニメ化のような雰囲気でした。一方で、矛盾するようだけど実景を撮影したような生々しさ。(絶景という他ない山嶺の神々しさはもちろん、ビバークで夜を過ごすつらさとか、雪崩の質感とか。)映画とは「普通では見ることができない景色を見せるもの」という原初的な在り方に則っている感じもあり。すごかったです。

☆☆☆1/2

※山岳カメラマンの本棚にスタジオジブリレイアウト集があるのはご愛敬かな…

ベルファスト(ケネス・ブラナー)

 天真爛漫な主人公の少年バディの笑顔がいいのと、じいちゃんの警句じみたセリフが良かったですね。こういう状況はつらかったろうな。

☆☆☆1/2

ジュディ・デンチ以外(とはいえ母親はダブリン出身とのこと)はアイルランド出身の俳優で固めているというのも徹底していてすごいですね。