「おいしい文藝」シリーズ、今回は寿司、鮨、鮓そしてすしがテーマですね。音だけだと「すし」だけど、表記するところは調理法を示しているので、厳格にいうとやはり別種の料理なのかもしれません。
テーマがテーマだけに、かつて幅を利かせていた「文壇のうるさ型美食家」による食エッセイみたいなもののいやらしさはあって(なるほどね、と当時(90年代くらい?)は思いながら読んでいたけれど。もちろんその当時でのリアルタイムでないものも多かったですが。)、今は雑誌文化もまさに滅びゆく存在なので、こういう時代たしかにあったよな、という感慨はありました。(ぎりぎり成立していた最後の時代の記録がこぶ平のエッセイかな。)
一方で、ものすごく思想的、思索的な随筆が放り込まれてきて、それこそワサビ的に時々ピリッとさせられるのもアンソロジーの妙なのかなと思いました。
それを踏まえての感想というか疑問なんだけど、村上春樹・安西水丸の対談は(これは完全にリアルタイムで読んでいたのを思い出しましたが)今読むと笑えないし完全にアウトだな…という内容で、それも完全アウトの煮凝りみたいな感じだから、どういう意図でラストに配置したのか(批判的視座かおもしろなのか)、編者に問いたいですね。
☆☆☆