2020-12-01から1ヶ月間の記事一覧

町田くんの世界(石井裕也)

特異な人物の奇矯な振る舞いによって「我々の思う普通って何だろう?」ということが問い直される、というタイプの映画があると思うのですが、それが若者の恋愛ドラマをドライブしていく点で『バタアシ金魚』を思い出しました。 ただ、「浅薄な人の振る舞い」…

オータム・タイガー(ボブ・ラングレー)

凡庸な印象と敵を作らないことでCIAの部長となったタリーは、退官直前に東ドイツの大物の亡命の身元引受けに指名され当惑する。事務官一筋の自分に何故? 時はさかのぼり第二次世界大戦末期、ドイツの情報部将校が極秘作戦のためアメリカの捕虜収容所に潜入…

サマー・オブ・84(フランソワ・シマールほか)

オチありきの映画だったな、という印象でした。(それを言ったらどんな映画であれオチありきなんだけど。) 丁寧な描写の積み重ねはいいのだけど、メリハリがないというか、興味を持続させるための工夫がほしかった。(80年代風、皆さんお好きでしょ?という…

1917 命をかけた伝令(サム・メンデス)

本当は、絶対に映画館で観ないとしかるべき感想が出てこないタイプの作品だと思うのだけど、時期を逸して今アマゾンプライムで見ました。 ワンカット風という作りからもっとリアル寄りの作品じゃないかと予想していたのですが、中盤の廃墟都市のあたりから顕…

日曜の午後はミステリ作家とお茶を(ロバート・ロプレスティ)

ミステリとしてのひねりはそこそこなんだけど、シャンクス氏の気が利いたやり取りが面白くて、ささくれだった気持ちの日常にはちょうど心地よい短編集でした。むしろシャンクス夫妻の日常を描き出すきっかけとして謎かけがあるような、ちょっと主客が転倒し…

ゴースト・エージェント/R.I.P.D.(ロベルト・シュヴェンケ)

びっくりするくらい『メン・イン・ブラック』そのままなので、誰か途中で止めなかったのかな、せめて敵役の設定か作戦にあと一捻り、という話にならなかったのかな、と思いました。それと主要キャラの魅力が薄いのも残念な点で、例えば主人公のメンターたる…