2023-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ライダーズ・オブ・ジャスティス(アナス・トマス・イェンセン)

ごく大雑把な枠組みでいうとビジランテものなんだろうけれど、どこに連れていかれるのか分からない面白さも含めてよかったです。(着地はどこなんだ?という面白さの連想で『ヘッドハンター』を思い出したのだけど、あちらはノルウェー映画だったんですね。…

The 500(マシュー・クワーク)

ロビイストのお仕事もの、立身出世ものだったらもっと面白かったのに、と思いました。後半完全にアクションの力押しになってしまうんですよね。読ませるだけの力量はあるけど、期待してたのはそれじゃないというか。 この後に書かれた『ナイト・エージェント…

バッドガイズ(ピエール・ペリフェル)

すごく子供向けという感じがして(キャラクターデザイン(特に署長)とか話の運びとか)、対象が正にそうなんだからそれ自体は正解なのかもしれないけれど、正直物足りなかったですね。主体的にいいことをしようとする契機にすっきりしない部分があったから…

10 クローバーフィールド・レーン(ダン・トラクテンバーグ)

舞台劇原作といわれたら信じてしまいそうなつくりの密室劇でしたね。まああるタイプの典型であって、普通かなという感じ。(※意外とデイミアン・チャゼルが脚本に参加してたりするんだけど。)私たちの戦いはこれからだぜ!という結末だけど、お疲れ様です、…

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(クリストファー・マッカリー)

(ネタバレ)『ローグ・ネイション』の現場は、設定だけ決めてとりあえず撮ってみるというような香港映画みたいなスタイルだったという(あの緻密さからすると)俄かに信じられない話が伝わってきたけど、その点で言うとむしろ『フォールアウト』の方が専ら…

君たちはどう生きるか(宮﨑駿)

なんていうか、「君たちはどう生きるか!」というより「こんな夢を見た」みたいな抽象的な作品でしたね。というか「俺はこう甘えるんだ!」っていうすごくエクストリームなプレイを見せられた感じだった。答えて曰く「自分は結構であります!」 しかしいつ終…

運命じゃない人(内田けんじ)

内田けんじ作品はどれも好きなんですが、やはりこの作品が一番好きかな。緻密な組み立てに目が行くのであまり言及されないけれど、ダイアローグが実はすごく上手ですよね(特に勇介のセリフ)。『アフタースクール』にもあったけれど、清く生きられる人とそ…

バイオレント・サタデー(サム・ペキンパー)

こんなにオッパイがいっぱいな映画だったとは。小学生くらい(多分)に初めてTVで見たときはそういう印象なかったから、おそらくカットされてたのかな。ちょうどいいサイズになるし。 今いろいろ映画を見た上で顧みると分かるけど、『パララックス・ビュー』み…

騙し絵の牙(吉田大八)

コンゲームものというより組織内のパワーゲームの権謀術数だったかな。「お仕事もの」として一定の面白さはあったけれど、全体としては普通でした。 大泉洋演じる速水のメフィストフェレス的な得体の知れなさには目を引かれたものの、アート映画ではないから…

X エックス(タイ・ウェスト)

正直こわいというよりつらい感じの映画でした。 それを言っちゃあおしまいよ的な話をあえてする、踏み込む、というスタンスは個人的には『ヘレディタリー』に通じるものを感じたのだけれど、その結果怖かったとしても、それに意味があるのかな、という気がし…

シャドウ・イン・クラウド(ロザンヌ・リャン)

もともと期待してたけど、予想を超えて面白かったです。アイディア一発かと思ったら遥かに上等な映画でした。雲間から見える地上の景色が刻々と変化していくところや、機内に散らばる肉片など端々のディテール描写が効いている。銃座の心細さとか、そこから…

風の谷のナウシカ(宮崎駿)

子どもたちと一緒に見たのだけど、多分20年ぶりくらいになるのかな?小学5年生くらいに町の映画館で初めて観て、興奮で地に足がつかなかったあの夏休みを思い出しました。(その後何回かテレビでも見たけど。) 読んだ後だとこれって完全にアニメ版『砂の惑…

ケイコ 目を澄ませて(三宅唱)

難聴のボクサーを体現する岸井ゆきのの凄さ。ボクシングのリズムを自らのものにしている所もすごいけど、難聴が前提だから、話しかけられたり自然音に対して反射的に身体が反応してしまいそうなところを「聞き流す」ところが輪をかけてすごいと思いました。…

砂の惑星(フランク・ハーバート)

(皮肉でいうのではなく)端的に言って「厨二」の夢みたいな話でした。物語の最後でためにためてた要素が爆発するのすごく爽快でしたね。まさにカタルシス。 映像化が不可能(よく使われる表現だけど)と言われていたのは、物語の中心が(言葉の応酬としての…

別れる決心(パク・チャヌク)

ファム・ファタールに翻弄されるという点で、本当のノワールでしたね。面白いつなぎ方やハッとする画などが多々あって、映画の愉しさはたくさんある作品だと思うのだけど、持って回った語り口が冗長に過ぎる感もありました。 ヒッチコック的陶酔(『めまい』…

G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ(ロベルト・シュヴェンケ)

ニンジャ・ファンタジーが過ぎるというか、主人公に全く共感できないのがすごい。もうちょっと脚本に工夫ができたんじゃないかな。あとシリーズ1、2作目より3割がたスケールもアクションも控えめな印象でした。(アクションもっさりすぎるのでは?) ☆☆☆