2025-06-01から1ヶ月間の記事一覧

ドラキュラ(フランシス・フォード・コッポラ)

特撮荒いな!当時はこんな感じだったんだな、と思ったなら早計。当時ですらオールドスクールすぎるというか、わざと拙い感じのミニチュアでやってるのか…と思ったものです。普通にきれいに作ってもよかったのに。ところで改めて見たらエロスすぎますね。コッ…

蜘蛛の巣を払う女(フェデ・アルバレス)

ハリウッド基準からすると中規模予算ということなんですが、安っぽいところのない硬質な雰囲気(一般的な観客=僕が北欧に期待するもの)を湛えていて、アルバレス監督はそういう点でも上手だな、とちょっとぶりに観返して思いました。 そもそも冒頭のタイト…

お菓子と麦酒(ウィリアム・サマセット・モーム)

階級社会の面倒くささ、文壇のいやらしさ、みたいなややこしい人間関係を描き出すタッチに何となく三島由紀夫を連想しました。(あそこまでペダンティックではないけれど。) かつて愛した(というよりあこがれた)奔放な女性ロウジーの人間像を、その本質を…

カラオケ行こ!(山下敦弘)

中学校の部活にまつわる部分はいずれも素晴らしかったのだけど、肝心の本題たる「中学生がヤクザに歌を指導する」という内容は、(漫画ならそういう話なんだなと受け入れられたかもしれませんが)実写化ということでなまじ生身の肉体を得てしまったがために…

プロフェッショナル(ロバート・ロレンツ)

いやー100点の映画でした。必要以上に大きく見せようとしていないのが好感が持てるし、尺もちょうどいい。脛に傷持つ主人公が、辺鄙な宿場町でせめて罪滅ぼしをと立ち上がる、という道具立てとしては西部劇なんだけど、IRAを絡めて世界の果てのようなアイル…

ノスフェラトゥ(ヴェルナー・ヘルツォーク)

前々から観たいと思っていたので、アマゾンプライムありがとうと思いました。派手に宣伝はしていないけど、こういう「ロバート・エガース版の公開を機にラインナップしようかな」みたいな時機に連動した配慮が時々あるので嬉しいですね。 それはさておき、実…

ザ・コンサルタント2(ギャヴィン・オコナー)

今回は兄弟の共闘が描けたらOKという意味では正解なのでしょうが、やっぱり普通になってしまったかな。あと冒頭のベン・アフレックが老けすぎていてショックでした。 そもそもの解決すべき謎が迂遠すぎて主人公たちを駆動していくにはぼんやりしすぎているし…

ザ・コンサルタント(ギャヴィン・オコナー)

劇場公開時も思ったけど、特異で抑圧的な家庭環境に育ち、特殊な訓練を受けた主人公が殺し屋になる(しかも弟と確執がある)、という設定がすごく(僕の好きな)ウィリアム・ゴールドマン的だなと思いました。ディテールのすっとぼけた感じにもそれを感じる…

韓国が嫌いで(チャン・ガンミョン)

(ネタバレします。)自国の息苦しさに堪えかねて、新天地としての外国(オーストラリア)を目指す話。元新聞記者の作者らしい、おそらく綿密なリサーチに基づいた苦い青春の物語でした。(これまでに読んだ中だと『鳥は飛ぶのが楽しいか』の中の一篇を長編…

ライオン少年(ソン・ハイペン)

素晴らしかったです。『藍色夏恋』とか『熱帯魚』みたいな(どちらも台湾映画ですが…)、地方都市の青春を描く小品かと思いきや、ど真ん中のスポ根ものでありながら、地方都市に生きる厳しさも容赦なく描く傑作でした。 技術的な部分では、変に整っていない…