2023-09-01から1ヶ月間の記事一覧

レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ(アキ・カウリスマキ)

オフビートという表現でも生ぬるいような常道の話法を脱臼する語りで、まあこういう感じがいわゆる「ミニシアター系」というエコシステムの中でのみ育まれうる状況だったんだよな(1989年)、という感じです。全世界的にそうだったのかな?今ならどういう流…

Steppin' Out(KIRINJI)

特に兄ひとりになってからのキリンジはエレクトロニカへの傾斜があまりグッとこなくて正直物足りないところもあるのだけど、今作では久しぶりに「Runner’s High」がかつての匂いがして良かったですね。(「十四時過ぎのカゲロウ」の変奏みたいにも聞こえる。…

犯罪都市(カン・ユンソン)

ステイサム映画というジャンルがあるように、マ・ドンソク映画というジャンルが確実にできたなと思いました。それにしても韓国映画のアクション演出の的確さは素晴らしいですね。最初ハリウッドの模倣で手探りから始まった頃からすると躍進著しいと思います。…

ジャスティス・リーグ(ザック・スナイダー)

もともとザック・スナイダーが手掛けたシリーズについてピンときてなかったけれど、残念ながらこの作品も同様でした。大味というのかな…それと個人的には『ザ・ボーイズ』のおぞましい世界観が影響して、ヒーロー映画のパロディみたいについつい見えてしまう…

ゴルフは寄せとパットから考える(今田竜二)

失礼ながら今田竜二は僕がゴルフを見るようになった(というのはプレーするようになったということですが)以前に最盛期があった選手なのだけど、この本は所謂指南書というより今田選手のゴルフ観(ひいては人生観)から学べるものは?という実は変わった成…

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(クエンティン・タランティーノ)

ドラマ映画ともスリラーとも言えないような名状しがたい奇妙な映画である時点で、傑作ではあるかもしれません。公開当時の評判から結末はなんとなく予想できたけれど、そもそも「シャロン・テート事件」を知らないと、この映画が狙っているカウントダウン・…

悪夢探偵2(塚本晋也)

前作が結局「やつ」との対決だったということで、いつもの塚本作品だなというところがあったのだけど、今回はいやだいやだ…という雰囲気の醸成に徹したというか、明確な対決構図じゃないのが、よりJホラーだったのかなと思いました。(話はすっかり忘れてた…

エッシャー 視覚の魔術師(ロビン・ルッツ)

ドキュメンタリーとしては薄味だけど、なるほど戦争に翻弄された人生だった(あの時代の人は皆そうであるともいえるけど。)というのと、見ている分には錯視的な面白さに惹かれるけれど、画家としては内から湧き出る切実さに突き動かされて描いていたのだな…

バイオレント・ナイト(トミー・ウィルコラ)

物語の枠は直球でダイ・ハードかつホーム・アローンであって隠すつもりもない感じだったけれど、まだこういう見せ方があったのかという工夫が嬉しい作品でした。かつとてもウェルメイドで細部への配慮が行き届いていて、「信じる心の強さと思いやりの気持ち…

ガンパウダー・ミルクシェイク(ナヴォット・パプシャド)

正直『キル・ビル』のアニメパートをエドガー・ライトが撮ったような作品だけど、というか有体に言って『ブレット・トレイン』(物語はジョン・ウィックでありグロリア)だけど、(先日退屈過ぎて最後まで見ることができなかった)『355』より面白かった。し…

A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー(デヴィッド・ロウリー)

(好きだった方は読まれないでください)個人的にはA24の良くないところが出た作品だなと思いました。気取ってるな!というか、ファインアート・フォトグラフィーを映像の連なりとして撮ったら映画になる、と思うなよ!というか。(逆にそう割り切ってくださ…

ブラック・ダリア(ブライアン・デ・パルマ)

『L.A.コンフィデンシャル』がすごく好きだったので、公開当時はデ・パルマがどのように料理してくれるのか楽しみに観に行ったのだけど、何となくぼんやりと面白かったような気はするな…という記憶で。改めて見てみると、やっぱり何となくぼんやりした映画で…