ブレイド2は雇われ仕事で、ヘルボーイのためのウォーミングアップさ、とうそぶいていたトロ監督。ブレイド2はそれにしてはいい仕事してたなあ、最後ちょっと失速気味だったけど。という印象だったのだけど、ジャスト同じ感想である。
要するに、ガジェットとかキャラクターといった設定や演出が丁寧で見応えはあるけれども、ストーリーテリングに難があるというか、盛り上げべたなんですね。世界を地獄に叩き込む!という壮大な計画の割りに、ショッカーなみに悪の組織がショボイし。
エイブやクロエネンなどクリーチャーの造形が素晴らしい。このクオリティでベルセルクなんかを映画化してくれたらなあと思う。特にクロエネンに関してはその筋で絶賛されているようだけど、それもむべなるかな。暗黒の仮面ライダー的美しさ。殺陣がまた素敵で、弾丸をトンファー式の刃ではじき返して撃った相手を倒したり、鮮やかな刀さばきで群がる相手をなぎ倒した後に見得を切ったり、といったツボをついた演出。まあこれに関してはアクション監督の範疇なのかもしれないけれど、この監督はそれを映画のパーツとして有機的に取り込む術に長けていると思う。
もう一つ書いておきたいのは、セルマ・ブレアの美しさ。キューティ・ブロンドの時も好きだったけど、今回のはまり具合は飛びぬけていい。ブレイド2のレオノラ・ヴァレラのヒロインもいい感じに撮られていたので、好みの傾向が似てるのかな?
しかし、お前は神を呼び出してしまったのだ!なんて大げさな口上で召還されたわりにクトルゥー風暗黒神は弱かった・・・もうひと工夫ほしいところ。