ダークタワー(ニコライ・アーセル)

あえてキングがらみでいえば『タリスマン』的ジュブナイル映画としては悪くない、というかむしろ好きでした。特に「我は手で撃たぬ。手で撃つ者、父親の顔を忘却せり。我は〈気〉で狙い定める。」を唱えるシーンなんて、見えを切るという感じで否応なく盛り…

SEOBOK/ソボク(イ・ヨンジュ)

これは良いスキャナーズ、もしくは童夢。最後の爆発に焦点を定めたストレートな語りが潔くていいなと思いました。(見終わって知ってびっくりしたけど『建築学概論』の監督・脚本のイ・ヨンジュだったんですね。)『私を離さないで』でもあったかな。 ☆☆☆1…

マリアンヌ(ロバート・ゼメキス)

公開時の印象はあまりなかったのですが観て良かったです。 ハリウッドの過去の堂々たる名作(それこそ『カサブランカ』みたいな)的な構えで撮りたいのかな?という部分と現代的なテンポの語りが必ずしもスムーズに融和してなくて、結果としてはぼんやりした…

長く孤独な狙撃(パトリック・ルエル)

引退しようとしている殺し屋が掛け替えのないものを見つけてしまって、というこれまで57回くらい見たり読んだりしてきた話なんだけど、最高でしたね…。70年代映画みたいな溜めて溜めてからの渋いアクションが堪えられない。(こういうバランスがいいんですよ…

マザーレス・ブルックリン(エドワード・ノートン)

原作どおりだから仕方ないけど、ノートンはトゥレット障害の主人公というのがやりたかったのかな。そういうの、演技が上手というのとは別に考えるべきでは?(もういいのでは?)という気分に正直なりました。 それはさておき、原作とは時代と設定を大幅に変…

ドクター・スリープ(マイク・フラナガン)

とても面白かったです。キューブリック版『シャイニング』にかなり寄せてた※けれど、話はキングにありそうな設定と展開で(原作未読だけどあらすじを読むと結構違う話だったみたいですね)、巧い折衷具合でした。キャスティングのはまり具合も絶妙だったし、…

ファーザー(フローリアン・ゼレール)

自分が認識しているはずの世界がボロボロと崩れ落ちていく恐ろしさ。一人称で認知症の世界を描く、というのが試みとして新しいとされているのかもしれませんが、正直ディックの描く世界観と変わらないような気もして。(余談だけど、そういう設定への目配せ…

仮面ライダーBLACK SUN(白石和彌)

(ネタバレ)つまるところ、劣化版「進撃の巨人」みたいな話でしたね。造形やプロダクションデザインが貧乏くさいのは何とか飲み込めても、脚本の杜撰さは受け入れ難かった。話数は結構あったのだから、怪人とのバトルシーンを削ってでも人間関係の描写に時…

アンチャーテッド(ルーベン・フライシャー)

主人公がスリという時点でちょっと乗れなかった。(制作側としてはオリバー・ツイスト的な「不幸な生い立ちからたくましく生きていくならそういうこともあるよね」という線を狙っていたのかもしれないけれど…)それと図らずもインディ・ジョーンズがやっぱり…

オンリー・ザ・ブレイブ(ジョセフ・コジンスキー)

『トップガン』の続編にコジンスキー監督が、というニュースを知った時、『トロン』とか『オブリビオン』のイメージしかなかったから、そうなんだ…としか思わなかったのだけど、これをみたらすごく納得しました。ほとんど同じ話じゃないか!マーヴェリックば…

ドライブ・マイ・カー(濱口竜介)

役者が演じることに関する物語という以上に、そもそも本質的に人間が生きていく上である役割を「演じる(演じざるを得ない)」ことについて語っている映画ではないかと思いました。(ペルソナといってもいいかもしれないけれど。) 感想としては以上なんです…

世界の終わりの七日間(ベン・H・ウィンタース)

1作目から随分遠いところまで連れてこられたな、という感慨が。フーダニット、ワイダニットの趣向もあるにはあるけど、終末ものSFとしてやり切った感じがよかったですね。 ところで、一人称ハードボイルドという形式のため、(読者がある程度同一化せざるを…

機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島(安彦良和)

ドラえもんの映画(結婚、おばあちゃん)でも思ったけど、ああいう話は通常の枠組みでさらっとやるからよいのであって、やはり言わずもがなの部分というか冗長さが出てくる気がします。MS格闘は悪くなかったけど。(でもキャラクターの絵の演出についてはあ…

ゴースト・ドッグ(ジム・ジャームッシュ)

公開当時ピンとこないみたいな言われ方してたような気もするけれど、好きでした。なんでもないエピソードの連鎖なのに、不思議と見入ってしまうのが映画の魔法なのでしょうか。作中の断章の扱いが今見ると『パターソン』っぽいですね。 ☆☆☆1/2

ゴーストバスターズ/アフターライフ(ジェイソン・ライトマン)

あまり芳しい評判を聞いてなかったけれど、なかなか悪くなかったのではないでしょうか。80年代リバイバルというよりもアンブリン映画かと思うほどスピルバーグオマージュだったですね。(フィン・ウルフハードくんの起用は完全にその目配せではないだろう…

男たちの挽歌II(ジョン・ウー)

久しぶりに見たけど、話が乱暴でしたね、というレベルじゃなかったですね。つじつまとかそんな退屈なキーワードは忘れてしまえという感じの映画でした。そうだったそうだったようやく思い出した。(特にロンさんが発狂するシーン、ひどかったな…と当時思った…

はてしない物語(ミヒャエル・エンデ)

初めて読んだ時の感動を大切にしたくて、あえて再読をしていなかったのですが、改めて読み返しても素晴らしかったです。 端的にいえば想像することの大切さを描いていると思うのだけど、抽象的な事柄を扱うことがないがしろにされがちな昨今だからこそ、小・…

ウォーリアー(ギャヴィン・オコナー)

最初に見たときはあまり気にならなかったのだけど、弟が隊を離れた理由がよく分からない。とはいえ、過不足ない物語と実直な演出で、やっぱり好きだなと思いました。 ☆☆☆☆

カウントダウン・シティ(ベン・H・ウィンタース)

3部作なので前作からのブリッジという位置づけになるのでしょうか。ちょっとがっかりした、という感想も目にしていたのでどうだろうと心配していましたが、悪くなかったですね。 小惑星が衝突して世界が滅ぶとされている設定だから、というのももちろんある…

男たちの挽歌(ジョン・ウー)

久しぶりに見たけれど、かなり話が乱暴だったですね(あの頃の香港映画はまあみんなそうだけど)。言われてみると確かにかつての邦画娯楽作の影響を感じます。 ☆☆☆1/2

思い出したこと

映画を観ているとき、「今、映画観ているな!」という画面構成や演出が一体になった映画の構築力そのものに感じ入ることがあるけど(『寝ても覚めても』等)、一方で『愛がなんだ』等そういう「映画的感興」はないけれど面白いという作品もあって、違いはな…

ザ・バウンサー(ジュリアン・ルクレルク)

ケン・ローチが撮ったアクション映画みたいな雰囲気。糊口をしのぐための術がたまたま暴力だった、という世界ですね。「かつて要人警護をしていた男が娘を警察に人質に取られ、やむにやまれず犯罪の世界へ足を踏み入れる」、という1,000回くらい作られてきた…

燃ゆる女の肖像(セリーヌ・シアマ)

芸術家がその対象を「掴んだ」と思うまでの話ということで夏目漱石の『草枕』みたいだなと思いました。(対象がいわゆる「世間から浮いている人」で、恋愛や社会生活に困難を感じているところも似ている。) しかしながら世で言われているほど感銘を受けなか…

ラストナイト・イン・ソーホー(エドガー・ライト)

正直、物語の結構が弱いと思いました。きらびやかな画作り、ジャーロ的なショックシーンが目を引くだけに余計そう感じたのかもしれません。見せたい画がまずあって、それらが出てくる必然性について最低限つじつまが合えばいいや、と考えているような。冷静…

バイオハザード: ザ・ファイナル(ポール・W・S・アンダーソン)

5作目まで律儀に映画館へ観に行って、もう、付き合うの、いいかな、と思ってそのままにしていたのだけど、そうか6作目で完結だったんだ、ということで見てみました。 結局これまでの内容と大差なかったですね。これならどの時点で完結させてもよかったので…

神の一手(チョ・ボムグ)

エクストリーム囲碁バイオレンスアクション。まあマンガですね。暴力+囲碁というぶっ飛んだ設定がすごい。 というような映画に突っ込むのも野暮なんでしょうが、囲碁の勝負で勝利したら悪役が逆ギレするので返り討ちにする、というパターンになっているのだ…

ターミナル・リスト

超面白かったです。フークワプロデュースだけど、『イコライザー2』を原液で希釈せずに8倍したような話だった。やっぱり継続に色気をださずにシリーズで完結するつくりがいいですよね。信頼できない語り手を模した導入部分も良かった。 テーマの部分ですが…

いずれは死ぬ身(柴田元幸 編訳)

ニューヨーカーに掲載されるような小説で、かつ玄人好みの作品群かなと思いました。タイトルどおり諦念が通奏低音のような選集ですね。もともと好きなトム・ジョーンズ(舞城訳よりこちらが好み)やオースターがよかった。村上春樹の文体に引っ張られている…

ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館(ジェームズ・ワトキンス)

(ネタバレ)完全に『リング』でしたね。プロダクションデザインが良い仕事をしていると思いました。 ☆☆☆

コーダ あいのうた(シアン・ヘダー)

すごく良かったです。作品を構成するあらゆる面において行き届いているな、と感じました。役者陣は総じて素晴らしかったのですが(賞レースを席巻したのも納得)、歌の先生役のエウヘニオ・デルベスが特によかったですね。 ☆☆☆1/2