映画
公開当時は気の抜けたスター・ウォーズのパロディとして紹介されることが多かったと記憶しているのだけど、初めてちゃんと見ました。視覚効果にILMが参加していたりと存外見た目はちゃんとしていたんですね。 しかしながら、作品自体は安定のメル・ブルッ…
久しぶりに監督作品を見たけど、これくらいの規模の映画がちょうどいいのだと思う。枠物語がシェラザードものなのも興味を持続させて上手い。 よく考えると穴だらけの脚本だし、使われている歌や曲がベタすぎてどうなのかとも思うのだけど、ケイレブ・ランド…
独特のキャリアを築くニコラス・ケイジの実像を二重写しにしたコメディ、ということになるのでしょうか。 所謂映画ファンならキャリア初期からそれなりに彼の映画を観てきていると思うのですが(役作りが度外れているマニアックな俳優という認識から一般の観…
60年代の邦画娯楽作のようなサラッと撮った感触がありました。それでいて最後には大きな跳躍があって、その辺りはちょっと鈴木清順っぽいかな。もともとアヴァンギャルドな要素もある監督だけど。 役者陣がよかった。池松壮亮はどの映画でもいつも池松壮亮な…
ヨーロッパ企画らしい構造に仕掛けのある物語なのですが、『サマータイムマシン・ブルース』的な映画といえばとおりがいいのかな。実際、『サマー~』の役者陣リユニオンという趣もあって、あの時若者だった人たちが年を取られましたなあ…という感慨も。 さ…
監督作品に散見される「サービス精神の空回り」要素は若干感じたものの、ちゃんと時代劇を作りたいという真摯さも感じられたので悪くなかったと思います。(時々わざとカキワリ的バックにしているのは清順オマージュでしょうか?) 原作となる古典落語は知ら…
そもそもセサミストリートにしてからがそうだけど、ジム・ヘンソンのクリーチャーってどこか不気味だよね…という発想の一点突破ホラーなんだろうなとは思っていたのですが、あまりにも本筋が空疎だな。と思ったらゲームが原作だったんですね。なるほど納得。…
筋はふた昔前の浪花節であり、これっていい話なのかな?と思いました。「主人公たちにとって大事なこと」の前には市井の人々の日常生活に支障があっても免罪されるという傲慢さが見逃せなかった。あと根本的には、よく素性の分からないアメリカの兵隊に身を…
82年のアニメーションなので、今の目で見ると物足りない部分はあるのですが(いや、しかし84年にナウシカがあり、そもそもカリオストロが79年ということを考えれば、作品としてそもそも動かすことには重きがないのかな)、妙な味わいはあると思います。やは…
こんなに丁寧に人物造形や交流を描写していたのは監督初めてでは?と思いました。理屈を超えた素っ頓狂な展開がないのは寂しいといえば寂しいけれど、悪くなかったですよ。 ☆☆☆
いざ事故が発生する、という場面に到るまでの描写がやや長く感じましたが、結末で本当によかったね…(もしくは本当に悲しい)という気分にさせるための必要な段取りだったかな、と見終わった後では思いました。 途中で「ああ、これはポセイドン・アドベンチ…
危機を救いに来ました面で現れたヒーローチームに対して、ヒロインが(圧制を敷かれている国民の声を代弁して)「本当に助けてほしい時になぜ手を差し伸べてくれなかったのか?あなたたちがいう破壊神(=主人公)が初めてそれを打破してくれたのだ」という…
エクストリーム囲碁アクション映画『神の一手』は、なるほど現在の韓国映画の勢いをもってして初めて成立するような絶妙なバランスの作品だなと感心しながら見たのですが(ばかばかしいほど漫画的だけど理屈を超えて確かに面白い、という案配)、そのスピン…
面白かったし、安っぽいところもなかったのだけど、見れば見るほど、オリジナルの物語の結構の素晴らしさが際立つというか、あの映画はやっぱりよくできていたのだなと思いました。 今作の良かったところとしては、オリジナルはタイトルに反してマニーが許さ…
地味な役者陣を見て、ああ特撮にお金をかけたかったんだなと最初は思いました。正直、登場人物たちの造形はステレオタイプで、典型を一歩も踏み出ることはないのだけど、異なる立場の人々が竜巻をきっかけに合流していく出し入れの手さばきが上手だから、パ…
主人公の老年の殺し屋がアルツハイマーを患っている、という設定がほぼ全然活かされていない。役者陣は手堅いところを連れてきたからがなんとかしてくれるだろう…と製作陣が思ったのかどうかは知りませんが、話がしっかりしてないとそれは無理だよなあと思い…
僕の世代だと、『ツイスター』はあまりにも大規模化した映画製作費の捻出のために、まさかのワーナー、ユニバーサルの相乗り製作ということが話題になったのを覚えていると思います。なんでまたこれだけ間が空いての復活企画が?とも思うけれど、直球で作る…
2回目だったのですが、なぜか今回の方がグッときました。最後の20分くらいはずっと涙していた気がします。 弱点は、前回観た時と同様、やはり登場人物(特に主人公宮城とその母)の葛藤に映画を支えるほどの厚みがないと感じられること。直接の描写は点描と…
アマゾンに入っているのを発見して、いわば2に当たるキャメロンの『殺人魚フライングキラー』は見ていたのだけど、本家のこちらは見てなかったなと思い見ました。 まず演出が手堅い。前半で怖がらせる段取り(襲われるとどうなるか)を丁寧に見せているので…
『ブックスマート』は確かに新しかったけれど、この作品からすると残念ながらフロックだったのか、と思わずにいられない。バスビー・バークレーやバーレスク、洒落た郊外生活など凝った意匠も上滑りしていて、特に語るべきことがないなら作ることなかったの…
久しぶりに見てみました。役者陣は上手だし、当時ひとしきり出そろった「サイコキラーもの」の要素は押さえているので、娯楽作としては手堅く面白かったです。というのは前回見た時と同じ感想なのですが。あとこの頃なぜかやけにエミリー・ワトソン出てたよ…
まずこの作品は「演劇」であるという枠物語の設定が必要だったのか?というのが疑問でした。加えて、極端なレイアウトと演出がこれまでの監督作品の特徴だったけれど、それをもっと推し進めてもはや「リアルな俳優が演じるストップモーション・アニメーショ…
いわゆるよくあるニコラス・ケイジものとは一線を画していて、画調も端正だし(見始めてすぐにこれはちょっと違うなと居住まいを正したくらい)、本人も久しぶりにエキセントリックなだけじゃない無言で語る演技をしていましたね。 実は『クワイエット・プレ…
淡彩画の趣の作品でした。監督のごく個人的な部分と動機から作られた映画であると一見して分かるけれど、それでいて普遍的な要素がある作品ですね。 この映画でいえば、あの時どこまで自分は父親に寄り添えていたのだろうかという後悔の念はあると思うのだけ…
韓国映画に力作が多い現代史もの。今作も素晴らしかったです。『義兄弟』の監督だったんですね。再びのタッグのソン・ガンホはいつもどおりの好演。ユ・ヘジンも本当にこういう市井の人の演技がすごくいいですよね。というか役者陣はみなよかった。 主人公の…
邦画のアクションとしてはトップといっていいと思いました。今回はジョン・ウィックというより往年の香港無茶アクションの再現といった風情でしたが、日本の撮影条件でよく頑張ったなと思います。 エモーションの醸成も上手で、前回同様手堅かった(ただ最後…
誰もが夢想する(特にダイ・ハード以降顕著だと思うのですが)「もしこの建物(学校)がテロリストに占拠されたら、どうやって脱出するか?」を映画化した心意気は買いたいと思いました。しかしそこまでだったかな… 正直、主人公の女の子が軍人の父から教え…
映画は基本的に娯楽として見ているので、現実世界のつらさはフィクションでわざわざ見たくないと渡鬼ですら避けてきた私としては、許容量を超えた話でした。 親は何か専門家に相談なりすべきだなと思いました。 ☆☆
やはり一連のシリーズの中では一番好きかもしれない。いちいちセリフが気が利いているし、誰が次の瞬間死ぬのかわからないサバイバルの殺伐さの中で不謹慎ギャグが極まっている。それとアクションの組み立ても立体的で、そうくるか!というギミックも工夫が…
初めて見たときは、主人公と敵の打つべき手の読み合いが実に巧みで、すごくよく練られた脚本だなと思ったものですが、後から舞台裏を知ったら、実は現場でアドリブで続きを書いていたということで、脚本が緻密だから上手くいくわけでもないから、映画って不…