映画

9人の翻訳家 囚われたベストセラー(レジス・ロワンサル)

(ネタバレ)いくらなんでも翻訳家を直接的に拘束、傷つけるということは翻訳が完了した時点で補償しなきゃいけなくなるのだからそもそも現実的ではないだろう、という前提の時点で乗れなくて、正直結末までどうでもよくなってしまいました。(チームのメン…

バイス(アダム・マッケイ)

『ジョーカー』の時も思ったのだけど、こんな現状でいいのかしらという感覚はアメリカも変わらないんだなと思いました。(『ヘリテージ財団』や『トリクルダウン』が引き合いに出されるところとか。というかもともとそこを参照してたんですね。) 太閤記的な…

アルキメデスの大戦(山崎貴)

オープニングの海戦描写こそ目を引くものの、肝心の人間ドラマは平板。しかし平板な演出でも物語の組み立て方によっては何とかなる、ということを逆説的に示しているような気もする。山崎作品には珍しく今の時代に物申すメッセージがありましたね。 ☆☆☆1/2

かちこみ!ドラゴン・タイガー・ゲート(ウィルソン・イップ)

無茶なアクションの組み立ては楽しかったものの、話が一直線すぎて工夫がないし、登場人物が平板すぎる。(ところどころ展開も釈然としない。)浪花節でも構わないのだけど、そうしたいのであれば押さえるべきツボを外してたんだなと思います。ちょっと残念…

スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム(ジョン・ワッツ)

(ネタバレします。)ジョン・ワッツはこれだけの大作をものにすることができる人だったんだ…と感嘆。見出した人改めてすごいですね。(それこそアメイジング・スパイダーマンになっちゃう可能性もあった訳だから。) マルチバースの名を借りて、ライミ版、…

ザ・スイッチ(クリストファー・B・ランドン)

冒頭殺されてしまう若者たちは、さして悪いことはしてないのに残酷な殺されかたをして(特にトイレで殺されちゃう女の子)不憫だな、と思ったけど、まあスラッシャー映画ってそういうものか(笑)。 正直『ハッピー・デス・デイ』シリーズほど気が利いてない…

蜘蛛の巣を払う女(フェデ・アルバレス)

伝奇猟奇サスペンスだった1作目(個人の感想です)からすると全然違うジャンルにジャンプした感じですね。ボーンみたいなポリティカル・アクションだったからびっくり。公開時あまり話題になっていなかった印象だけど、結構面白かったです。今知ったのです…

ブルータル・ジャスティス(S・クレイグ・ザラー)

ジャンル映画という枠組みが要請する以上に人物造形が的確だから何か観ちゃうけど、やっぱり残酷描写が文字通りブルータルというか、トゥーマッチで酷い、というのは相変わらずでしたね。その一方で、信義に忠実な人が生き残るという点である種勧善懲悪的でも…

囚われた国家(ルパート・ワイアット)

最初はスルーの予定だったのですが、僕の偏愛する『猿の惑星:創世記』のルパート・ワイアットの作品じゃないか!と気づいたので見てみました。異星人による支配完了から9年、一部レジスタンスは反撃の狼煙を上げようと秘密作戦を企てるのだが… 結論として…

閃光のハサウェイ(村瀬修功)

アニメで思う存分怪獣映画をやったという点で面白かった。ガンダムを超久しぶりに見たけど、セリフ回しこんなにクセがあったんですね…それと、ここぞという場面で英語詞の中途半端な音楽が流れるの、アニメでよくあるけれど、本当に格好悪いからいいかげんや…

音楽(岩井澤健治)

アートアニメの範疇だと思うけど、というかアートアニメそのものだけど、音楽にまつわる初期衝動の一点突破の作品かと思いきや、ロックが生まれる瞬間をフィルムに焼き付けた稀有な映画でした。最初リコーダーが出てきた時は吉田戦車的なおもしろ要素なんだ…

マトリックス レザレクションズ(ラナ・ウォシャウスキー)

電脳版「寝ても覚めても」だな。その名前で私を呼ぶな!ってお母さんが突然出て行ったらすごく困るだろうな、と思いました。 そもそもそんなに期待してなかったので、新鮮味はなかったけれど、ああ、やってるやってる、という感じで楽しかったですね。ゲーム…

キャッシュトラック(ガイ・リッチー)

リメイク版のせいか、いつもの(というかちょっと前の)リッチー節みたいなゲーム性を排して、陰惨なノワールの匂いがする話になっていましたね。スコット・イーストウッドがいつもの役を反転させた感じのキャラで面白かったのと、J・ハートネットがあんな…

ランボー ラスト・ブラッド(エイドリアン・グランバーグ)

正直第一作を除けばアメリカのやり散らかし発散話でもあるので(まあ理由はあるのだけど)冷静に考えると微妙なところもあるよな…というこのシリーズ。今回も同じ感想になりました。 それはさておき、今回の発端となった父親の件、娘にひどいことを言うのだ…

ライズ・オブ・シードラゴン(ツイ・ハーク)

CGといいセットといい、同じツイ・ハーク作とはいえ、前作『人体発火怪奇事件』のクオリティには予算のせいなのかはるかに及ばないのだけど、結構面白かったですね。特にワイヤーアクションは相変わらずどうやって撮っているのか分からないくらい複雑な構成…

ウォールフラワー(スティーブン・チョボスキー)

エマ・ワトソンは、本人は多分人柄としてはいい人なんだと思うけど、役者としてはコクがないというかいつも物足りない印象で。この作品のこの役に必要なチャーム(この人について行きたい、自分が勝手に作っていた壁をぶち破ってくれそうな気がする、みたい…

T-34 レジェンド・オブ・ウォー(アレクセイ・シドロフ)

主人公は身をやつしても匂い立つハンサムオーラがすごいなって思いながら見てたのだけど、あの快(怪)作「魔界探偵ゴーゴリ」の人だったんですね。見間違えた!イェーガーはちょっと「デュエリスト」の雰囲気があったかな。 「潜水艦もの」のような機能が限…

哀しき獣(ナ・ホンジン)

(ネタバレ)公開当時評判は聞いていたけど、韓国陰惨バイオレンスの流れが食傷ぎみだったのでスルーしていたのですが、先日『暗数殺人』でキム・ユンソクをみたら過去作が見たくなって。なるほど、寄る辺なき者たちのノワールという感じで良かったですね。…

お嬢さん(パク・チャヌク)

(ネタバレ)グランギニョルのパノラマという雰囲気がちょっと鈴木清順っぽいなというところと、エログロナンセンスな感じが夢野久作風でした。きっと狙ってると思うのだけど。あと変態的な上月が最近見た『毒戦』の好演が印象的だったチョ・ジヌンだったと…

エターナルズ(クロエ・ジャオ)

主人公の人が麻生久美子に見えて仕方がなかったのと、スプライトのキャラ造形が手塚治虫作品の匂いがしましたね。(いたいけで可愛らしいけど不憫みたいなのが私にはツボなのです。) 最初、敵キャラのデザインやビジュアルという意味での世界観がやけにファ…

花束みたいな恋をした(土井裕泰)

趣味が同じだから、という一点突破じゃ永続的な関係は結べない。個人的には、趣味は違っても価値観が同じなら大丈夫だと思うのだけど。主人公たちは結婚しても良かったと思うけれど、物語として表に出てこない部分で絹ちゃんは踏み切れない何かを感じていた…

暗数殺人(キム・テギュン)

韓国映画でもよくあるサイコキラーものかなと思わせて…というのが最大のミスリードだったでしょうか※1。犯人の造形は確かにソシオパスなんだけど、実はその口ぶりとは違って異常快楽殺人ではないことが徐々に判明していく。 主人公の刑事は、このジャンルに…

スカイフォール(サム・メンデス)

先日『ノー・タイム・トゥ・ダイ』を観たので久しぶりに見返しました。確かに撮影といい物語の構えといい、007というより映画として名作の風格があるのだけど、映画館で初めて観たときからどうしても好きになれないのは、助けようと思えば助けられるのに敢え…

ロシアより愛をこめて(テレンス・ヤング)

名作の誉れ高いけど、良くも悪くも「いい気なもんですな…」感があってぼちぼちだったかな。ところでソ連領事館を爆破する作戦があるけど、BGMの面白大作戦感とは裏腹に爆発に巻き込まれた女性が路上に放置されるカットがあって、その即物性と陰惨さにびっく…

サイコ2(リチャード・フランクリン)

想像してたより丁寧だし面白かった(偏愛対象になるのも分かる)けど、プロット上の辻褄合わせの解決法がちょっとなあ…ツイストとして派手さはなくていいから、むしろボタンの掛け違いで哀しい結果に、ということにしてほしかった。 ところで、当時小学生だ…

ノー・タイム・トゥ・ダイ(キャリー・ジョージ・フクナガ)

ネタバレです。:『スペクター』で終わりでも美しかったと思うのだけど、もし続編があるなら、と想像していた感じの作品になっていてよかったと思いました。ダニエル・クレイグになってからの007は全部映画館で観てきたから感慨深かった。結末では泣いてしま…

ゾンビワールドへようこそ(クリストファー・B・ランドン)

気楽に見られるし、出演者の一流感がよかったです。(低予算で頑張ってる感じの作品もいいのだけど、役者陣がなあ…ってなることも多いから。)手堅いなって思ったら『ハッピー・デス・デイ』の人だったんですね。 ☆☆☆1/2 ※原題はScouts Guide to the Zomb…

白鯨との闘い(ロン・ハワード)

よくこんなアンチクライマックスな物語に大予算をかけたなと思いました。小説『白鯨』のバックグラウンドという体裁だけど、その枠物語もフィクションでしたね。原題はIn the Heart of the Seaであるように、何かに憑かれた男が人の力の及ばぬ自然領域に足を…

007 ドクター・ノオ(テレンス・ヤング)

ショーン・コネリーの007を初めて見たのですが、そうだったのかと気づいたことがいくつかあって。 ・宍戸錠が出てくる日活アクションや市川雷蔵の『ある殺し屋』等で、敵の襲来を予期して予防措置(アタッシェケースにベビーパウダーを付けておく等)を取…

アイアン・ジャイアント(ブラッド・バード)

2Dと3Dのなじませ方としては最高峰だと思います。改めて見たら、手書きアニメの柔らかさが素晴らしかったですね。 ☆☆☆☆