2009-01-01から1年間の記事一覧

あまりに怜悧な

かちゃくちゃさんの「大衆決断」は文学作品の道標としても一級なのだけど、知る人ぞ知る、というにはあまりにメジャーなグラビアアイドル評論家としての一面もあって、今回またその素晴らしい評論をアップされていた。→http://d.hatena.ne.jp/breaststroking…

極私的アワード2009

ベスト敵役賞は『イングロリアス・バスターズ』のランダ大佐と同率一位で、『太陽を盗んだ男』の文太並にタフだった『アバター』のマイルズ大佐に。奇しくも大佐イヤー。 そしてベスト男前賞は、『3時10分、決断のとき』のラッセル・クロウと『ウォッチメ…

The polaroid book(V.A)

タッシェン25周年で安くなってた分です。このつくり(ハードカバー)で1,698円は破格ではなかろうか。 それはさておき、何となくポラロイド写真というものに対して「スナップショット向け」というイメージがあって。前に買ったタルコフスキーのポラロイド…

フィリップス・シェーバー:RQ 1050

フィリップスのアーキテックという新モデルシリーズ。実は先日ラムダッシュの4枚刃を買ったばかりだったのだけど、やはりのどが鳥肌気味であると、どうしてもフラットヘッドでは上手く剃れなくて血が出ちゃうので、思い切って買いました。 現体制は粗剃りに…

アバター(ジェームズ・キャメロン)

キャメロンはやはり盛り上げどころを心得てますね。端的にいって、大メロドラマ(かなりナウシカ風味)なんだけど。 「アバター」は主人公ジェイクの分身であると同時に、観客である我々が初めて体験する「CGで構築された3D世界」での仮想身体でもある、…

似て蝶

湘南乃風という文字を見るたびに滝沢乃南に見えてしまうことを今更カミングアウトしたい。

エアウィーヴ・ピロー

今まで使っていた枕はニトリの安い低反発枕だったのですが、沈み込むのが逆に仇になって首肩が凝ることがよくあって。これは硬い方が本当はいいのでは?と思っていたところ、ある雑誌でお薦めされていたので(いささか高いのだけど)チャレンジしてみました…

ツイてない男(キット・ライアン)

プロの強盗リッチーは、これを最後に足を洗うと決めた大仕事でありえないトラブルに見舞われる。しくじりを組織のボスから責められ改めて与えられたチャンス、それはモスクワで聖十字架を強奪するというものだった。場数を踏んだプロとして、それは「容易い…

±0加湿器S

デザイン家電の代名詞となったプラマイゼロの加湿器、その今季からラインナップに加わったアロマオイル対応のコンパクトモデルです。今までボネコの気化式タイプの加湿器を使っていたのですが、いかんせん加湿力のパンチ不足が否めない感じで、どうせ就寝時…

生きるべきか死ぬべきか(エルンスト・ルビッチ)

初ルビッチ。『イングロリアス・バスターズ』のサブテキストとして。ヒットラー列席のプレミアナイトという設定の元ネタはこの映画だったんですね。(そういえば『フリッカー、あるいは映画の魔』にも監督への言及があったような。) 知恵の限りを尽くして脱…

ギリギリで恐縮ですが、空中キャンプさんの「2009年の映画をふりかえる」アンケートに初参加させていただきます。

1. 名前(id、もしくはテキトーな名前)/性別 cinemac(id:cinemac)/男2. 2009年に劇場公開された映画でよかったものを3つ教えてください 『イングロリアス・バスターズ』/『ウルヴァリン』/『エヴァンゲリヲン新劇場版:破』3. 2で選んだ映画のなかで、…

ARRIVAL(ショーン・タン)

妻と娘の3人家族の暮らしは「ドラゴン」によって脅かされていた。男はひとり、平和だと噂に聞く未知の国に旅立つ。言葉も習慣もまるで違う異国で戸惑う男。最初は仕事を見つけることもままならなかったが、知り合いも増え、季節を重ねるうちに、家族を呼ぶ…

ロックマン ライト博士とオルターエゴ

ちょっと大長編風のタイトルで。実は「ロックマン」というゲームに登場する2人の博士、(ロックマンの生みの親)ライト博士と(悪にしてボスキャラ)Dr.ワイリーという名前の組み合わせにずっとすっきりしないものを感じていて、ライトが正義というのは…

バッド・モンキーズ(マット・ラフ)

最近、「翻訳ミステリー大賞シンジケート」という様々な立場で海外ミステリに関わる方たちによるブログをよく見に行くのですが、その中で年末にきて書評家5人から立て続けにプッシュされていたこの本。ぜひ読んでおかねばと手に取ったのですが・・・ 精神障…

フリージア(完結)(松本次郎)

ついに完結しましたね。連作短編のようなスタイルだったから、どこで完結しても支障はなかったかもしれないけれど、ヒグチさんに関しての決着のつけ方は、うーん個人的にはすっきりしないものでした。分かったような分からないような哲学「チック」なセリフ…

ジャッキー・ブラウン(クエンティン・タランティーノ)

いかにもエルモア・レナード原作らしいストーリー。ですが、意外や観終わった印象としてはあっけらかんとした感じよりもウエットさが先立っていたような。(タイトルロール演じるパム・グリアの苦さを噛み締めるようなアップで締める結末が素晴らしかった。…

カールじいさんの空飛ぶ家(ピート・ドクター)

『リトル・マーメイド』に始まる第2黄金期のディズニーの系譜で例えると、『ノートルダムの鐘』のようなピクサーの蹉跌になりかねない気がするな・・・ とはいえ前半の妻の死までのエピソードではしっかり泣かされたし(後から考えてみると、そういう狙いす…

マーケと舞踏

最近、時節柄、各社の「暖か素材肌着」の宣伝が喧しいですね。原理は吸湿発熱というメカニズムで、人間の発する水分を吸着する際に発熱する、という話はみなさんもどこかで目にされたことがあるのではないでしょうか。 ところがMONOQLO1月号の記事によると…

ゆれる

NHKの外事警察のボーン気取りが恥ずかしくも痛々しい。役者もカメラも。

ハードコアの夜(ポール・シュレイダー)

『96時間』が『ハードコアの夜』ハードコア版というのは存外、的外れでもない感想だなと思いました。すいません、若干フカしました。さておき、ややご都合主義的な結末の展開もジョージ・C・スコットの男泣きに免じて飲み込みたい気分。 ☆☆☆1/2

喋る馬(バーナード・マラマッド)

マラマッドは新潮の短編集を高校か大学の頃に読んだきりでした(あとはアンソロジー収録作品を幾つか)。その時の印象は、編訳者の柴田元幸がいみじくも「貧乏と美が否応なしに合体させられている世界」とあとがきに書いているように、その叙情性が不思議と…

イングロリアス・バスターズ(クエンティン・タランティーノ)

最初、バスターズって「始末屋」の方だと思っていたのだけど、「you bastard!」の方だったんですね。それはさておき、この映画の概要を知ったとき連想したのはアルドリッチの『特攻大作戦』でした。「ならず者部隊が戦局の趨勢を左右する一か八かの作戦にチ…

見ろ、人がゴミのようだ!

今『ラピュタ』を観ていて、学生時代どんな会話の終わりでも「ラーマーヤナではインドラの矢とも伝えているがね」と締めるのがクラスの友人間で流行ったのを思い出した。 ※寺田農は「ラーマヤーナ」って言ってるんだけど。

夕暮れをすぎて(スティーヴン・キング)

キングは長編はいいんだけど、短篇はね・・・みたいな世評が以前から釈然としない。一発ネタでしかやれない話を文字通りぶっちぎってみたり(しかし、ありきたりの作家なら短篇しか支えられないようなワンアイディアで長編を語りきる豪腕がキングの魅力でも…

ブレード/刀(ツイ・ハーク)

立体的で華麗なワイヤー・ワークで鳴らしたツイ・ハークらしからぬ、泥臭く血生臭い殺陣。黒澤明へのオマージュなのかなと思ったら、雑誌などのレビューでもそれに触れられていて、やっぱりねと公開当時一人悦に入っていたものでした。ところが今回久しぶり…

夕陽のガンマン(セルジオ・レオーネ)

俺は同じセルジオでもコルブッチ派なんだな、と。 ファンですら指摘するほどだけど、やっぱり冗長な印象が拭えない。例えば一時期タランティーノ(とそのフォロワー)のトレードマークだった「三竦み」。その原点であるところのレオーネによる演出は、タメに…

洋梨形の男(ジョージ・R・R・マーティン)

久しぶりの『奇想コレクション』はマーティン。先に書いてしまうと、良く言えば「隙のない全きエンターテインメント」、悪く言えば「創作講座のテキストにもってこいの教科書的娯楽作」だったと思います。意表をつく展開からショッカー演出までキチンと決め…

バブルボブル

男性の方にお尋ねしたい、皆さんは泡立てネットを使われたことがあるだろうか?(む!お風呂は彼女と入る派ですか、そうですか)もちろん僕もその存在は知っていたのだけど、「男が泡立てて洗顔なんて片腹痛し」という先入観があって実際に使ったことはなか…

マッキントッシュ:ハンティングコート(SEAMILL)

エディフィス・エクスクルーシブのコートです。昨年まで着ていた通勤用コートが5年以上になり、そろそろ新しいものをと考えていたのですが、「今回は気合の入ったやつ、出来ればオフも兼用できるようなもので」という趣旨で探していました。実はシーラップ…

奥さまは名探偵(パスカル・トマ)

同じ監督による『ゼロ時間の謎』がミステリの映画化として実に正攻法で、かつ登場人物がみなお洒落でプロダクションデザインも素敵、という雰囲気のある作品だったので、先に作られたこちらも観てみました。 あ、書き忘れていたけれど、「アガサ・クリスティ…