アントマン&ワスプ:クアントマニア(ペイトン・リード)

 (批判多めになりそうなので、楽しく鑑賞された方は読まれない方がいいかもしれません)当初の作風から随分遠いところへきたと思うのだけど、まだ律儀にリード監督なんですね。それはさておき、電子紙芝居感が強かったのとマルチバースはもうお腹いっぱいだなという個人的な好みからぼちぼち面白かったかな、という印象に落ち着きました。(子どもに聞いたらすごく面白かったとのこと。おもしろクリーチャーがいっぱい登場したらやっぱり嬉しいんですね。)

 ところで余談ですが、冒頭の「意識高い系」(という言い方自体好きじゃないけど)エピソードは、気が遠くなるほどの大予算の映画の中で言われてもなあ…と白けた気持ちに正直なりました。舞台となるサンフランシスコの実情を踏まえてということと、今作のテーマと通底してるということだとは思うけれど、ふさわしい時と器(作品だったり場所だったり)で語るべきではないでしょうか。

 役者陣としては、わざわざキャスト変更してまでの登板になるキャスリン・ニュートンがあまり好みじゃなかったのです…(『ザ・スイッチ』は悪くなかったのだけど。人物造形の問題かな)。なんとなくフローレンス・ピューとかぶってる生意気が売り的なキャラだなと思って。いずれ合流しそうだからタイプを分けたらいいのにという気がしました。

 あと悪役の時のデンゼル・ワシントンみたいなジョナサン・メジャースも若干小粒な印象で。どうしても(単純な見た目からいっても存在的にも)怪物的だったサノスと比較すると分が悪い。(デンゼル連想でいえば)いっそジョン・デヴィッド・ワシントンが演じた方が心がうつろな感じがして得体が知れなくてよかったのではという気もします。

☆☆☆1/2