スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム(ジョン・ワッツ)

 (ネタバレします。)ジョン・ワッツはこれだけの大作をものにすることができる人だったんだ…と感嘆。見出した人改めてすごいですね。(それこそアメイジングスパイダーマンになっちゃう可能性もあった訳だから。)

 マルチバースの名を借りて、ライミ版、ウェブ版を踏まえた作品になっていた訳ですが、好きだからこそそれらのシリーズに感じていた不満をまとめて解消してくれたのが本当に嬉しかったし、加えて役者として自らのフィルモグラフィに「ヒーローもの」を刻むことがどういうことなのか?ということにまで向き合ってて素晴らしかったと思います。(スパイダーウェブのメカニズムがシリーズで違うのって微妙よね…ということまで拾っていて痒い所に手が届きすぎだろ!と思いました。あと『スパイダーバース』のマイルスに言及するような箇所があるのも行き届いてますよね。)

 中でも、ガーフィールドスパイダーマンがMJを救出するのに間に合った瞬間は(登場した時におそらくあるだろうなと予想していたにも関わらず)、涙を堪えられませんでした。

 ありがとうという気持ちで一杯です。エンドゲームより好きかもしれない。

☆☆☆☆☆

※1 弁護士の人(マット・マードックデアデビル)が出てきた時、えっ?って本当に声が出てしまったのですが、(まさかこれまでのスパイダーマンが真正面から登場するなんて思わないから)ネタバレ厳禁とはこれのことか…それにしては地味だな、と不覚にもその時点で勝手に納得してしまいました。

※2 前任者が、前任者が、とシリーズでしきりに言ってた『マトリックス:レザレクションズ』と色々あった末に同年公開というのは何か示唆的というか啓示的な気がする。

※3 細かい演出でいうと、スパイダーセンスの映像化(と音の演出)が秀逸でしたね。いったい何が起ころうとしているのか?という不穏さを映画ならではの方法で表現していたと思います。(『ミュンヘン』の耳キーンに比肩するくらいの発明じゃないでしょうか。)