時の支配者(ルネ・ラルー)

 82年のアニメーションなので、今の目で見ると物足りない部分はあるのですが(いや、しかし84年にナウシカがあり、そもそもカリオストロが79年ということを考えれば、作品としてそもそも動かすことには重きがないのかな)、妙な味わいはあると思います。やはりむしろバンドデシネ的なセンスを楽しむべきなのでしょうか。

 タイトルどおり(しかも原題直訳)「時の支配者」が出てきて、メタファーじゃなくて登場人物なのか!(しかも普通に出てくるのか!)と、なるのですが、ツイストとしては弱いと思いました。これに限らず啞然とするほど素材をそのままドンと置く感じがあって、独特のテイストはそこが所以かもしれません。

☆☆☆

タツノコプロのキャラクターを煮詰めたような濃いデザインなのもちょっとクセがあるかな(脈絡が逆だけど)。あと宇宙船がピカピカじゃなくてウェザリングされているのはスターウォーズ以降だからなのかな、という気がしました。