危機を救いに来ました面で現れたヒーローチームに対して、ヒロインが(圧制を敷かれている国民の声を代弁して)「本当に助けてほしい時になぜ手を差し伸べてくれなかったのか?あなたたちがいう破壊神(=主人公)が初めてそれを打破してくれたのだ」というのだけど、これは「世界の警察」をもって自任するアメリカのダブルスタンダードを批判する視点で描かれた場面な訳ですが、そうだその通り!と思いながらも、一方で、あまりに現実世界の歪みのアナロジーをヒーロー映画において語りだすと収拾がつかなくなるのではないか、とも思いました。
あと、今回特にそのように感じたというのが、「ザ・ボーイズ」で描かれるおぞましく戯画化されたヒーロー像というのは、(造形の保守的なスタンスもあって)もっぱらDCから引用されていると思うのですが、あのけばけばしくて安っぽいイメージが今回のヒーローチームではまさにそのままで、なんかもう見たくないなという気分にさせられたのです。
この10年から15年くらいの話なのに、難しくなってしまいましたね。あるいはジャンルの賞味期限とはそもそもそういうものなのか…でも主人公は面白かったし、最後に玉座を破壊するのもそうこなくちゃ!と胸がすく思いがしました。もっとシンプルなつくりでもよかったのかもしれませんね。
☆☆☆1/2