パリタクシー(クリスチャン・カリオン)

 筋はふた昔前の浪花節であり、これっていい話なのかな?と思いました。「主人公たちにとって大事なこと」の前には市井の人々の日常生活に支障があっても免罪されるという傲慢さが見逃せなかった。あと根本的には、よく素性の分からないアメリカの兵隊に身を任せるのがそもそも不用意すぎるし、そんな経験をした後にDV男とよく考えもせず結婚するのも慎重さを欠いている、つまるところ、大変な経験だとは思うけれど結局自らが招いた事態ではないかと思われて同情できなかった(息子の死の遠因とも言えるし)のです。

☆☆1/2