ソリッドシチュエーション・サスペンスとしてはこれ以上ソリッドなものはない、というくらい削ぎ落された設定。歩くか死ぬか。明らかに「今作られるべきテーマ」を指向して作られていて、体制べったりのアマゾンという枠組みのなかでよく頑張ったなと思いました。
個人的な思い出として、大学の講義中、授業そっちのけで友人が小説を熱心に読んでいたので、「何読んでるの?」と尋ねると「『死のロングウォーク』、いやーキングは本当に天才だよ、どれを読んでも凄いもん」と教えてくれたことが印象に残っています。あれから30年くらい経ったけど、ようやく映画化されたんだな。
さて、順撮りということで、そのメリットを100%活かした作品になっていました。本当に過酷な道程だったようで、終盤の顔のやつれ方がすごかった。ところで、全体として『スタンド・バイ・ミー』のゴーディとクリスのくだりを全編通して描いていた感じもありましたね。
役者さんたちはみな素晴らしく、今後の活躍が楽しみですね。主役の2人は特に良くて、誰かと思ったらフィリップ・シーモア・ホフマンの息子さんと『エイリアン:ロムルス』の彼だったんですね。印象深い顔立ちだから何の映画で見たんだっけ?と思いながら見ていたのだけど。
個人的な難点としては、最後の着地仕方はよくいえばオープンエンドなんだけど、雰囲気で逃げた感じもあって、何かしら具体的な結末を提示してほしかったですね。
☆☆☆1/2