ザ・バウンサー(ジュリアン・ルクレルク)

 ケン・ローチが撮ったアクション映画みたいな雰囲気。糊口をしのぐための術がたまたま暴力だった、という世界ですね。「かつて要人警護をしていた男が娘を警察に人質に取られ、やむにやまれず犯罪の世界へ足を踏み入れる」、という1,000回くらい作られてきた話なんですが、無駄を極限まで削ぎ落したソリッドなつくりがとても良かった。必要な要素だけを適切に積み上げれば面白い映画は作ることができるというお手本みたいな作品だと思いました。

☆☆☆☆