アイ・アム・レジェンド(フランシス・ローレンス)

 大風呂敷を広げた割りにはこぢんまりした印象でした。同じ内容なら低予算で『28日後・・・』がもっと上手いことやってたなぁという感もあり。※ネタバレ注
 ただ、ショッカー演出に関しては(音響効果の進歩の恩恵もあってだと思うけれど)かなり巧かった。隣の席の女性がそういうシーンでことごとく「ひっ」と息を呑みビクッてなるので、製作者にとっては「いいお客さん」だったなあと。むしろそのリアクションのでかさで僕が2フレーム遅れてびっくりするという。

ここからネタバレ

 id:throwSさんも言及されていますが、生存者とめぐり合ってからのやりとりで、せっかく見つかったその相手が「神の導きが・・・」みたいな事をいいだすので、なまじ「地球最後の男」じゃなくなった分、そういう話の破壊力は桁違いだなとゲンナリしてたら、あにはからんや、なんか前向きな展開に。キリスト教国のメンタリティってことで飲み下してよかったのだろうか?
 あと前から気になってたんだけど、アキヴァ・ゴールズマンの絡んでる作品って「ここは俺が引き受けた!だからお前は先に行け」っていう展開好きですね。「宇宙戦艦ヤマト」がハリウッドで映画化されたら彼が脚本だと思う。
☆☆☆
 ※追記:製作者側の演出意図としては、大きな悲劇に見舞われて「信仰を失った男」が、それでもなお人類の将来を2人に託して「犠牲」になる、というところが感動ポイント(定番)だったのだと思うけど、出会ってから結末に至るまでの手続きが乱暴だからこちらまで伝わってこなかった。だからといって、生存者との感情の交流をじっくり描くのは物語の構造上無理なんだけど。でもやっぱりあの場面で「神様が」とか言われたら、ブラックコメディか、いっそホラーですね。