ちょっと思い出しただけ(松居大悟)

 偶発性を意図した(実際は脚本どおりだったそうですが)ような映画は、邦画では自分はちょっと好みじゃないんだなと改めて認識しました。それこそジャームッシュみたいに「外国の」というフィルターがないとむずがゆくなるのかな…※

 役者陣は達者な人ばかりで本当にそういう人物たちがいるとしか思えなかった。ただ(完全に個人的な好みとして)池松壮亮の演技ってどの作品でも苦手なんですよね。

 ところでこの題名は思いついた人に「おめでとうございます!」という言葉を送りたくなるくらい素晴らしい。誰の人生にもある「ちょっと思い出しただけ」の瞬間に結実するラストは涙なくしては見られませんでした。

☆☆☆1/2(エンディングは5点)

 

※逆に言うと『寝ても覚めても』や『勝手にふるえてろ』みたいに映画の構築性に意識的な作品が好きということなんですが。(遡及するというような枠組みの意味じゃなくて、撮り方の方ですね。)