殺しの烙印(鈴木清順)

 冒頭のパート、記憶してた以上に『深夜プラス1』の忠実な再現だった、けれども、『深夜プラス1』を読んでその気になった映画研究部が撮ったようなもっさりした感じと貧乏くささがあって、こんな感じだったっけ…となりました。(そこも含めてこの作品のチャームポイントかもしれない、とは思います。)

 もちろん後半の支離滅裂の悪夢感が肝であって、どういう具合でこういう形に結実したんだろう、と感心します。だから続編である『ピストルオペラ』は脚本によって理知的にこの支離滅裂を再現できるかどうかの試みだったような気がしました。

☆☆☆1/2

※これ以降の監督作品でも夢幻的なトーンは出てきますが。

※思うに同じような立脚点による映画であっても、ひたすらウェルメイドを志向したら岡本喜八の『殺人狂時代』になるんじゃないかなと思いました。