2005-01-01から1年間の記事一覧

マスク2(ローレンス・グーターマン)

ディズニーアニメのビデオスルー続編を見るような中途半端なでき。加えて僕の近所の映画館では吹き替えオンリーだったのだが、その声優陣も今ひとつ。広告効果を狙いたい気持ちは分かるが、芸能人をあてるのはちゃんと考えてからにしてほしい。 今回は、「ト…

ダークホルムの闇の君(ダイアナ・ウィン・ジョーンズ)

「渡る世間は鬼ばかり」が苦手だ。現実世界だけでも人間関係のしがらみに消耗しているのに、その上あえて娯楽であるはずのTV番組でまでそのしんどさを摂取しようというメンタリティがどうにも理解できない。しかし長年の高視聴率。むしろ社会的には俺のほ…

魔法使いになる14の方法(V.A)

要はハリー・ポッターバブルの1冊なのだが、こういうアンソロジーは普段手に取る機会が少なかったり、短編集が邦訳されていない作家の短編が多く収録されていて、バブルではあっても読めるのは素直にありがたい。ただ編者の紹介文がやや的外れで、日本人に…

コンスタンティン(フランシス・ローレンス)

やさぐれヒーローは嫌いではないので、楽しめました。スケールでかそうに見えて意外とご町内の事件に終始しているので、雰囲気としては「ワーロック」みたいな感じ。というか「ゴッド・アーミー」のほうがより近いか。ああいったアイディア勝負のB級アクシ…

あてがき

「美女缶」のブッキーはあからさまに「ジョゼ」の時の彼をふまえているな。ところで「美女缶」とは同名映画?のリメイクなのだろうか・・・→エンドクレジットで確認。ネットで調べると実は同じ監督によるセルフリメイクだった。ということはジョゼ風というの…

パブリシティの効果

今日ずいぶん久しぶりにプロジェクトXを見た。「ジューキミシン如何にして世界を獲りしか」という話だったんだけど、「さすらいの技術者」などのキャラが立った登場人物にも惹かれてついつい全部見てしまった。 ところでジューキが世界シェアの4割を占める…

綺譚集(津原泰水)

グロテスクの度合いを増した「夢十夜」といった印象。津原作品に触れるのはこれが初めてなのだが、「夢十夜」を連想したように夢語り的な、物語としての整合性よりも雰囲気重視の作品を書く人なのだろうか。どの作品にも濃厚なエロスが漂っているのも「夢」…

エターナル・サンシャイン(ミシェル・ゴンドリー)

なんというか、チャーリー・カウフマンは「臆病で自分から告白できないような男のところに、ちょっと奇矯だけどチャーミングな女の子が押しかけ女房風にやってくる」という話にオブセッションがあるとしか思えない。血の繋がってない妹が「お兄ちゃん!いい…

プリンス・オブ・ペルシャ

結局のところ、アクションが派手になった「ICO」だった。相棒システムの使い方など含めて。後だしジャンケンの強みでより洗練されている部分もあるが、その過程で失ってしまった「味わい」みたいな、システムには還元されない要素も大きいような気がした…

ラン・ダウン(ピーター・バーグ)

はっきり申し上げてあまり話題にもならず、気がついたらDVDが出ていたという印象であった。でも拾い物。「ブレーキ・ダウン」や「ニック・オブ・タイム」みたいなB級だけどA級の心意気で頑張っている作品。「スコーピオン・キング」での印象のせいか、…

ボーン・スプレマシー(ポール・グリーングラス)

ふらふらした手持ちカメラが鬱陶しい、と書こうと思ったのだが、世間で言われているほどでもなかった。確かに冒頭のマリーとのやりとりのシーンでの撮り方はちょっとやりすぎ感があって、最後までこんなだったら付き合いきれないなと思ったのだが、気になっ…

超イントロ・ドン

ナオタロウの「さくら」のイントロを聞くと、つい「いぬのおまわりさん」を歌いたくなるのは俺だけじゃないはずだ。

ゴシカ(マチュー・カソヴィッツ)

カソヴィッツ作品というと、「クリムゾン・リバー」でのゴシック趣味というか西洋風横溝正史的世界観がかなり好みで、一本の映画としてみるとつじつまが合わないところなんかもあって欠点はいろいろ指摘できそうなのだが、まあ雰囲気が楽しめたからよかった…

ワイルド・レンジ(ケビン・コスナー)

イーストウッド風のリアル殺伐西部劇の線を狙ったのだろうか。 コスナー演じる、ボスに忠実で、仁義を重んじ、過去に陰を秘めた男。と書くとなんか「健さん」みたいなんだけど、実際そんな感じ(などと所謂「健さん」映画をまともに見たこともないくせに雰囲…

きょうも寒いですね

例えば職場で女の子と対面で打ち合わせする時なんかに、その子が軽くミニスカートだったりすると。それで彼女はしきりにスカートの丈というか露出部分とのボーダーを意識している。こっちは仕事のことしか頭になかったのに、クローズアップマジックのパーム…

テキサス・チェーンソー(マーカス・ニスペル)

別にリメイク=悪と決め付けるわけではないんだけど。 きびきびしたアクション・ホラーの秀作として再生した「ドーン・オブ・ザ・デッド」なんかは好リメイクだと思うし、「ミニミニ大作戦」はスタイリッシュな佳品であった。という訳で、オリジナル至上主義…

Several people(Paolo Fedreghini / Marco Bianchi)

ラウンジ番長のニコラ・コンテで有名なイタリアはミラノのレーベル「スキーマ」からのデビューアルバム。やっぱりラウンジ・ジャズなんだけど、さらっと聞けるいい感じにルーズなつくり。ニコラ・コンテの「アザー・ディレクションズ」が好きだった人にはか…

ヒューマン・キャッチャー(ビクター・サルヴァ)

ヒットしたB級ホラーを同じ監督が手がけ、なおかつ違うタイプの作品として仕上げてきた。こういうのはありそうで、なかなかない展開なので嬉しい。 前作は前半サイコスリラー風、後半(ジェイソン、フレディ等の系譜に連なる)ホラーヒーローものという変わ…

キューティー・ハニー(庵野秀明)

きらいではないが・・・「大学の映画研究部にすごい先輩がいたと聞いて、上映会でその幻の作品をみたらこんな感じだった」という感じの作品。そもそもの出発点がそういう人だから当然といえば当然なのだが、なんでまた自主映画チックな画づくりなんだろうか?…

ジョゼと虎と魚たち(犬童一心)

早くも今年の邦画No.1は決定(今更ですが・・・)。いろいろなサイトで的確な批評・感想があげられているので、これ以上言及するのはあまりに蛇足かと思う。一番共感したものを。DAY FOR NIGHTさん。などといいつつ一応コメントも。見ている間…

ルーニー・テューンズ バック・イン・アクション(ジョー・ダンテ)

どうにも切れがない。こういうおふざけ映画は得意のはずなのに、「ビバリーヒルズ・コップ3」の時のジョン・ランディスみたいにギャグの勘所を外したぬるい映画になってしまった。ルーニー・テューンズの面々が実写の役者と一つの画面で共演する、という簡…

ドリーム・キャッチャー(ローレンス・カスダン)

公開時は酷評されがちだったようだけど、意外と面白かった。キングによる原作小説は未読だけど、単体としてみたら娯楽作品としては十分水準を越えているというか、個人的には満足した。例えば、キングの映画化作品の定石に則って、「シャイニング」ばりに主…

最後のユニコーン(ピーター・S・ビーグル )

読む前は、伝統的なハイファンタジーなのだとばかり思っていたのですが。高尚で哲学的なことを語ったかと思うそばから、ものすごく俗っぽい人物描写があったり。泣かせにかかると見せかけて、シニカルなジョークを飛ばしたり。現代散文詩のような抽象的な描…

美術館の隣の動物園(イ・ジョンヒャン)

最近観る映画が「当たり」ばかりで嬉しい。結婚式のビデオカメラマンをしながらシナリオライターを目指しているチュニのアパートに、チョルスという男が転がり込んできた。兵役休暇中に婚約者を訪ねてきたというのだが、彼女は前の住人で既に転居した後だっ…

スピカ・原発占拠(高嶋哲夫)

たくさん読みこんでいる訳ではないので断言はできないけれど、最近の日本の冒険小説、もっと絞り込んで言うと「ハリウッドアクション映画」的な文法で書かれた小説は、どうも浅い。今度映画化されて話題になっている「亡国のイージス」やちょっと前なら「ホ…

カンフーハッスル(チャウ・シンチー)

ドーパミン全開!!!のアクション。周星馳がまさに満を持して放った会心の1作である。前作少林サッカーは、(Mr.Booのような)オールドスクールの香港コメディスタイルで、ただでさえ満腹なところに満漢全席を詰め込むような足し算の過剰さが売りだ…