アメリカからオックスフォード大にやってきた留学生マーティンは、著名な数学者セルダム教授の熱烈な信奉者だった。知遇を得るためあらゆる機会を利用するマーティン。しかしそんな矢先、下宿先の女主人が殺されてしまう。しかもそれは連続殺人事件の始まりに過ぎなかった・・・
監督の作品は、スラップスティックなやりたい放題に始まって、最後は人生のあれこれについて思いを馳せるようなしみじみした結末に着地、という「おもしろうて やがてかなしき」テイストが定番の形式であるという印象なんですが、今回は終始抑制の効いたストイックな語り口のミステリで意外でした。(そういう先入観が一番のミスリーディングだったかも。)
どうやら原作は(未読なんですが)ウンベルト・エーコの『薔薇の名前』的なペダンティックな薀蓄ミステリとのこと(方向性は違うと思いますが)。正直、はちゃめちゃ控えめで薄味だったので、まあミステリの映画化としては水準作かな(そもそも薀蓄系ミステリは映像化と相性が悪いと思うんだけど・・・)、と思ってたら結末のツイストが効いててなかなか悪くない作品だった、というのが最終的な印象でした。以下メモ。
・イライジャ・ウッドはあちらこちらでモテモテのイケメンという設定なんだけど、子役からの印象のせいか、なんかスッキリ役柄に馴染めませんでした・・・
・そしてセルダムはジョン・ハートが演じているのですが、途中までイアン・マッケランと勘違いしてた!(指輪コンビだとばかり・・・)
・劇中、ガイフォークス・デーが重要な舞台になっていて、ジョン・ハートがコスプレまでするのですが、『Vフォー・ヴェンデッタ』のサトラーだと思ったらなんだか面白いですね。
・裸エプロンは日本の特殊(だけどポピュラー)な嗜好だとばかり思ってたら・・・ドーン!
☆☆☆