ロング・グッドバイ(ロバート・アルトマン)

 何気に撮影:ヴィルモス・ジグモンド&音楽:ジョン・ウィリアムズの『未知との遭遇』コンビだったり、ギャングの手下その4がシュワルツェネッガーだったり、実は「探偵物語」の元ネタらしかったりといろいろ周辺情報が充実しているのだけれど、ううん・・・僕は乗れなかったなあ。
 飄々とした雰囲気がいい!という根強いファンがいるのはよく分かる。独特のリズムの演出も魅力的だった。ただ、別に原作原理主義者ではないので映画単体として面白ければよいのだけれど、友人であるテリーとマーロウの関係性が描きこまれていないから、真実を究明したいのか何なのか主人公の行動原理がさっぱり分からないし、結末に向かってのエモーションも高まらない。非常に不完全燃焼な印象だった。(そういう熱血な感じ全否定というところが好きな人には堪らないのかなあ・・・)
 まあそもそもアルトマンとの相性が悪いのかも。面白のツボもなんだか外されてる感じだし(『M★A★S★H』はテレビシリーズの方が好きだったくらいなので)。唯一面白かったのは、二言目には「サノバビッチ」と悪態をつく主人公が、言う事を聞かない愛猫をつかまえて、やっぱりサノバビッチって言うとこ。ビッチて。
☆☆1/2