2009-01-01から1年間の記事一覧

謝罪

リンデンは角度によってはウィル・フェレルに似てる・・・ような気がする。

トラップと博才

缶コーヒーが過剰に甘い設定なのは、肉体労働の糖分補給をユーザーとして想定しているからだと聞いたことがある。本当かどうかはさておき、個人的には微糖すら甘すぎて、飲んだときには脳の毛細血管が糖分でニチャニチャするような感じがして不快なので、メ…

転々(三木聡)

この監督の「面白うて、やがて哀しき」という話は上手いこと決まるととても良いですね。結末をひっぱりすぎない潔さも好きだった。いろいろ考えると実際はつらくて苦いバックグラウンドがある話なんだけど、あくまでサラッと一種のファンタジーとして見せき…

パニッシャー:ウォーゾーン(レクシー・アレクサンダー)

(世評芳しからぬ)前作が大好きだったので、今作の話を聞いたとき、実は監督が変わったのが一番残念だったのだけど・・・ 前作はトンチの効いた展開やゆるい悪役キャラなどの要素が渾然一体となって独特の世界観を確立していました。「確固とした世界観があ…

諦女(宮崎吐夢)

人生についてなかなか鋭く突いているシュールなコント、という範疇であれば100点なんだけど、「小説です」といわれると、うーん微妙なんですよね。小説ならではというスタイルを、あるいは確かに小説だなという感触を、やっぱり読者として欲してしまうか…

3時10分、決断のとき(ジェームズ・マンゴールド)

銃撃戦よりむしろ対話の攻防が見所のような西部劇でした。皆さん書かれているように、甘言で主人公ダン(クリスチャン・ベール)の心を揺さぶる無法者ベン(ラッセル・クロウ)のやりとりは、禁欲の生活を貫こうとする修道士に囁きかける悪魔のよう。 ところ…

ある夜 A Noite(イヴァン・リンス)

タイトル曲は割りと最近何かのCMで使われてませんでしたか? ポップで伸びやかでありながら叙情的な側面もあり、かつフュージョンへの接近も感じさせるという一筋縄ではいかない多面性、そしてやっぱりどの曲にも通底するサウダージ。一小節に過剰に歌詞を…

解雇手当(ドゥエイン・スウィアジンスキー)

その土曜日の朝、米国諜報機関の工作用偽装会社「マーフィー・ノックス」の社員たちは休日出勤命令にうんざりしていた。何でも重要な会議とのこと。ところがその議題は「ビルは封鎖した。君たち全員に死んでもらう」というものだった。しかし彼らとて腐って…

たのしい写真―よい子のための写真教室(ホンマタカシ)

この本に限らず、ホンマタカシの啓蒙熱は本物だと思う。しかも「その道の達人」は必ずしも「よき教師」に非ずということを考えると、貴重な存在です。さてこの本では、平易な言葉で写真の歴史から技術まで丁寧に教えてくれます(かなりざっくりだけど・・・…

しみじみ読むアメリカ文学(V.A.)

僕は巻末解説や解題を読むのが大好きで、それが為に出版の性格上あまりそれらが付いてこないハードカバーの作品は何だか物足りない気がするくらいなんですが、その一方で、本編には大満足だったのにそのアンソロジーの編者がめちゃくちゃ的外れな(独り善が…

ハードル

弟からメールで「兄貴が絶賛するから『ウルヴァリン』嫁と観に行ったけど・・・期待値上げすぎだよ!」とのお叱りが。まあ定番すぎる展開なのは否めないところで(そこがチャームポイントなんだけど・・・)一般的な評価からすれば☆☆☆1/2ってところなのか…

お直し

この夏のバーゲンで、通常価格の頃から気になっていた割といい値段のスーツ(ヴァルディターロ)が生き残って安くなっているのを発見。首筋から背中にかけたラインの美しさにグッときて、速攻購入しました。 さて補正から帰ってきたそれをワクワクして着てみ…

ウルヴァリン: X-Men zero(ギャヴィン・フッド)

デイヴィッドいい仕事した! 実写版サイボーグ009みたいな愉快な仲間たちとのミッションというワクワクする冒頭から始まって、とにかく無駄がない展開。「悪の組織により心ならずも改造手術を受けて、からくも洗脳前に脱出、孤独な復讐戦に挑む」という王…

ミスター・ノーボディ(トニーノ・ヴァレリ)

マカロニというと、個人的にはむしろこういったケレン味を想起するのですが。(子供心にはこういった作品の方が単純に面白かった、ということかもしれません。)とにかく全編ハッタリで押し切ったような痛快娯楽作。しかし全体としては、去り行く西部劇ブー…

続・夕陽のガンマン(セルジオ・レオーネ)

「グッド、バッド、アグリー」というわけで、インスパイア元を再見。といっても殆ど小学校以来になります。映画史にその名を刻む名作だから面白いに決まっている、のだけど、いささか冗長に感じたのも正直な印象。162分もあったんですか。イーストウッド…

96時間(ピエール・モレル)

ベッソン率いるヨーロッパ・コープ作品で素直に面白かったといえるのは『キス・オブ・ザ・ドラゴン』ぐらいだったのだけど、これは噂どおり、予想以上に面白かったです。思うに最大の美点は「冗長なところがない」ところ。 ボーン・シリーズによって最近のア…

金釘流

ひとりパソコン1台というのが普通の職場環境になっても、やはり直筆で書かなければならない場面というのは避けられないもので、俺もいい年してこんな字じゃまずいなあと「ボールペン字練習帳」を始めました。 ところが所謂「見栄えのいい字」ってじっと見て…

SWエピⅡ

公開時から気になっていたのだけど、コロシアムの意匠は何かエロスですな・・・R・タイプ?

グッド・バッド・ウィアード(キム・ジウン)

話が、という訳じゃないのだけど、不思議と『GOEMON』を思い出しました。ロケによる大平原チェイスはさすがに見ごたえが。 ☆☆☆

ジョーカー・ゲーム(柳広司)

そのものという訳ではないのだけど、映画『陸軍中野学校』シリーズの枠を利用している(オマージュなのかなあ・・・)という時点でちょっと乗れなかったのでした。エンターテインメントとしての結構はしっかりしてるんだけど・・・ ☆☆☆

1408号室(ミカエル・ハフストローム)

S・キングの原作は、手練手管を尽くして読者をビビらせるということに徹した一点突破の短篇だったので、本来だったら40分強くらいのTVミニシリーズが相応しい尺だったのだと思う。(最近でいったらエミー賞をとった『バトルグラウンド』みたいに。) 長…

シャンブロウ(C.L.ムーア)

ムーア短編集と謳われていたけれど、実際は「コンプリート・ノースウェスト・スミス」でした。ノースウェスト・スミスとは宇宙にその名を轟かせる無法者で、作者が創造したスペース・オペラ西部劇の主人公。タイトルのシャンブロウは「世界初の萌えキャラ」…

シェーバー:ラムダッシュES-LA72

最近の僕のシェーバー事情は、粗剃りに日立のロータリーシェーバー、喉やあご下部分にフィリップスのトリプルヘッド、細部はシングルヘッドの安い奴で仕上げという体制だったのですが、朝慌ててちょっと力が入るとロータリー刃に皮膚が巻き込まれて血だらけ…

透明人間(ジョン・カーペンター)

その昔、最後まで観られなくてずっと気になっていたのを、ようやく観ました。 透明人間ものでずっと疑問だった、ものを食べたりしたら過程が見えてしまって透明じゃなくなるのでは?という突っ込みどころをちゃんと映像化している律儀さにグッとくる。まだデ…

殺しが静かにやって来る(セルジオ・コルブッチ)

『続・荒野の用心棒』が大変面白かったので、コルブッチ作品をまた観てみました。そもそも白銀の西部劇というのが異色なんだけど(ユタ州が舞台)、こういう結末とは・・・。いわゆるサプライズ・エンディングという訳ではないのですが、『猿の惑星』もこの…

ベガーズ・イン・スペイン(ナンシー・クレス)

テクノロジーの飛躍的進歩によって社会はどのように変わるのか?というテーマを個人的視点からつぶさに検証していくスタイルと、割と思想的というかイデオロギー的な観点から世界を捉えているところからイーガンを連想。ただイーガン作品があまりに突飛な(…

ハリー・ポッターと謎のプリンス(デヴィッド・イェーツ)

物語は完全に完結篇へのブリッジなのに、それでも観客動員があるのがこのシリーズの底力なんでしょうね。 ・毎回のクィディッチの描写は少しずつ精度が上がっていて、この10年のCGの進歩ぶりが見てとれるのが面白い。 ・ジニーはいつの間にあんな可愛ら…

G.I.ジョー(スティーヴン・ソマーズ)

これは文字どおりのオモチャ映画なんだから、という夏休み気分のおおらかな気持ちで臨んだのだけど、ちょっと・・・ひどかったですね。「世界を守ることよりもむしろ巻き込まれ死者や被害の方が甚大だろうと思われるパリのシーンを筆頭に、独善的なアメリカ…

落下の王国(ターセム)

「象で脱出なんて、どうやって思いついたんだいダーウィン?」・・・ええっと、グレゴリーむにゃむにゃ・・・ という冗談はともかく、そりゃロジャー・エバートもマグニフィセント!っていうよってくらいの「ロケ力」でしたね。ちゃんと映画館で観とけばよか…

フランク・オコナー短篇集(フランク・オコナー)

2006年に村上春樹がその名を冠した賞を受賞したことから、近年改めて注目を集めたアイルランドの短篇の名手、らしいのですが。率直にいって受賞の件すら知らなかったのだけど、とても素晴らしかったです。こういう作家の本が出るからやっぱり岩波は侮れ…