デビル(ジョン・エリック・ドゥードル)

 80分という潔い尺が良い。シャマランの若手発掘企画ということですが、画作りも役者の雰囲気もリッチで、バジェット以上の格を感じさせる仕上がりになっていたように思います。※
 変にプロットをひねり過ぎることなく、不穏なトーンと緊迫感で一気に結末まで魅せきるという戦略も当たっていた(一点突破で逃げ切れるランタイムが80分という言い方もできるかも…)。何より「フィラデルフィア空撮を逆さにしてみる」というシンプルなアイディアながらインパクトのあるオープニングが利いている。そのセンスだけでもこの映画は評価されるべきものを持っているといえそうです。
☆☆☆1/2
※渋い名匠タク・フジモトのカメラですね。ジョナサン・デミとのコンビが有名ですが、考えたらズバリ『フィラデルフィア』もこの人の手によるものでした。