香港国際警察(ベニー・チャン)

 初めてA級なジャッキー映画を観た、という気がした。
 とか書いたりすると、ジャッキー原理主義者からは「おいちょっとまて、ジャッキーは昔からA級だったろうが!」とお叱りを受けそうなので、言い方を変えると「垢抜けた」という感じ?アクションの構成はより洗練されてたし、「決めの画」も意識して作っていたという印象(同僚が吊るされてるところとか)。
 まああの泥臭さこそがジャッキー映画のチャームポイントだったともいえると思うのだけど(今作でも酔っ払いの千鳥足演技に名残が・・・)、ハリウッド本格進出してからも「あの感じ」を引きずっていたのは観ていて正直厳しかったのである。(一応エクスキューズで。小学生の頃から『蛇拳』なんかを映画館に見に行ってたくらい好きなんですよ。)

 物語は警察を標的にして好き放題にやらかしている金持ちの若者グループ対ジャッキー&謎の青年コンビの戦い。とにかくもうジャッキーが不幸のどん底に叩き落とされる描写が余りに酷くて可哀想になった。でも結末は・・・「目には目を、こそがカタルシス」と言い切るのも怖いけど、どうなんだろう。

 個人的な好みを付け加えると、守護天使のように主人公を支える謎の青年は、地に足の着いていない様な佇まいが魅力的だったので、現実の人間なのかスーパーナチュラルな存在なのか保留にしておいてほしかった。(あの結末だから泣けるという意見は当然あると思うけど・・・)
☆☆☆☆