ローリング・サンダー(ジョン・フリン)

独自に調査を進める保安官クリフ、ドラマにツイストをもたらす要素なのかと見ていたらあっけなく退場。おとり要員だったはずのヒロインが、実は職業軍人の父親仕込みのガンマンだったと判明し、おおこれは『ジェヴォーダンの獣』みたいな非戦闘員とみせかけ…

エリジウム(ニール・ブロムカンプ)

残念ながらこの作品にも乗れず・・・(この夏は「特撮もの」と相性が悪かったかな。)以下その理由をつらつら考えるに。(ややネタバレです。) ・やはりエリジウムのセキュリティ体制が、長きにわたって超富裕層の楽園を守ってきたというにはあまりに脆弱に…

モンスターズ/地球外生命体(ギャレス・エドワーズ)

破壊された建物、書き換えられた地図など、痕跡を描くことで、彼らにとっての怪獣の存在を映し出す、というのがとにかく上手い。予算制限上からくみ上げられた「最低限、画にしておくべきの描写とはなにか?」が突き詰められて考えられている印象だし、それ…

ウルヴァリン: SAMURAI(ジェームズ・マンゴールド)

フジヤマ、ゲイシャはさすがに出てこなかったけど、シンカンセン、パチンコ、ヤクザ、ラブホテルというガイジンが考えるニッポンの風景がてんこ盛り※1、まさしく期待通りの映画でした。そういう雑多な要素を学生向け定食屋(でも昼時は会社員多数)みたいに…

マン・オブ・スティール(ザック・スナイダー)

冒頭、クリプトン崩壊に関わるてんやわんやがあるのですが、スター・ウォーズ新3部作のがっかりした要素を拡大したようなというか、『リディック』のような安っぽさというか、「ああ、映画観終わった後で、ここのくだり蛇足だったな、って思うんだろうな」…

機械男(マックス・バリー)

子供のころ電車になりたかった「ぼく」は今、最先端ハイテク企業で研究者をしている。あるとき事故から脚を失った彼は、機械化された義肢を自己流で改良、生来の研究熱に火が付いて「より良い機械の身体」を開発することにのめり込んでいく。だが、利益の追…

夢幻の書(ジャック・ヴァンス)

奇しくも「魔王子シリーズ」ハーフマラソン中にヴァンスの訃報に接したというのも何かの縁だなと思ったり。さておき、漸く読了。開巻当初こそスペースオペラの結構に意識的な作品でしたが、巻を追うごとに明後日の方向に逸脱、「オイクメーニ(魔王子ユニヴ…

風立ちぬ(宮崎駿)

宮崎監督の遺言です、といわれても、何度目だよその遺言、という気分だったのですが、評判を聞いて観に行ってみるとなるほど『ポニョ』とは違った意味で「異形の作品」でした。 導入部分こそ普通だったけれど(そうでもないか?)、黒川家での婚礼の儀に至っ…

R11フェアウェイウッド#3

(承前)結論からいうと、購入したのはR11のスプーンでした。お店でキャロウェイのXHOTやRBZの異なるフレックス、違う番手も試したけれどしっくりこなくて、意外や盲点だった(ピンとこなかったRBZと同じテーラーメイド製だったので)R11の…

ロケットボールズステージ2:ユーティリティ#3

今使っている同じロケットボールズのドライバーが割と調子がいいので、そもそもこのシリーズの火付け役となったフェアウェイ・ウッドを使ってみようかとお店で試打させてもらったのだけど※、なんともヘッドが軽すぎる印象で。ヘッドの重みを感じながらスイン…

カラフル(原恵一)

なんだ!これこそ俺が観たかった『エヴァQ』じゃないか!と思いました。5点。:現世で犯した「大きな過ち」を償うため、あの世から修行として下界へ送り返された男。その「修行」の内容とは、自殺した中3の少年の身体に宿り、その過程で自身の罪を思い出…

クリーチャーズ 異次元からの侵略者(ドン・コスカレリ)

『プレスリーVSミイラ男』以来のコスカレリ新作。『プレスリー〜』は人生の終わりが見えてきた男の諦念と矜持を描いて、監督自身の想いが重ねられていたからなのか、意外や枯れた味わいのある佳品になっていましたが、今回は『ファンタズム』ファンも納得な…

僕達急行/A列車で行こう(森田芳光)

森田監督の遺作となった訳ですが、そういうことを予期していたのかどうか、奇しくも原点回帰なつくりになっていましたね。「つくりもの」を意識させる特異なセリフ回し、突然出現するコーヒーカップ、すっとんきょうなSEといったおふざけの演出。伊藤克信…

グランド・マスター(ウォン・カーウァイ)

『マイ・ブルーベリー・ナイツ』にがっかりさせられたので、今回はどんなものかと期待と不安相半ばしつつ足を運んだわけですが、結論を先に述べると監督作としてはジャスト「普通」。『欲望の翼』の懐かしくも新しい感じとか、『花様年華』の完成されたマニ…

アイアンマン3(シェーン・ブラック)

端的に言うと、ロバート・ダウニー・Jr.が『キスキス,バンバン』※1をもう一度やってみたかった、という映画でしたね。もちろん各イベントは超大作なりに大規模になっているのだけど、基本的に軽コメディ探偵もののノリ。以下ネタバレありの感想です。 ・ま…

穴(ジャック・ベッケル)

名作の誉れ高い脱獄もの。所謂、逃走経路の計画、そのために必要な人間関係の構築やそれぞれのバックグラウンド、みたいな定番の要素は意外な程あっさりな描写に留めて、ひたすら脱獄に必要な穴掘りや鉄格子の切断のようなフィジカルな描写を淡々と重ねてい…

愛の宮殿‐魔王子シリーズ3(ジャック・ヴァンス)

今回のターゲットはヴィオーレ・ファルーシ、自らの美学を具現化した享楽的なエロスの殿堂「愛の宮殿」で知られた男。ガーセンは彼への接触の糸口として、ファルーシの執着する一人の女性の存在に気づくのだが、それは彼が魔王子へ至る過程を辿る道でもあっ…

マラソンマン(ジョン・シュレシンジャー)

今日は風邪をひいて寝込んでて持ってたDVDを久しぶりに見返していたのだけど、全編を通じて醸し出されるサスペンスフルな雰囲気といい、原作の(自身の)ひねくれたストーリーを見事にソリッドな映画脚本に仕立て直したゴールドマンの手腕といい、実によ…

ジャンゴ 繋がれざる者(クエンティン・タランティーノ)

<ネタバレありです>ようやく観ました。今回はまた堂々たる正攻法で撮ってましたね。『イングロリアス・バスターズ』にはまだあった「標的ここ→」みたいな照れ隠しは封印、ストーリーテリングも奇を衒わずど真ん中。実は『イングロリアス〜』の時危惧してい…

ヒッチコック(サーシャ・ガヴァシ)

これまであまりスポットライトがあたることのなかった糟糠の妻、アルマのヒッチコック作品における功績を、『サイコ』の成立過程のあれこれの騒動に焦点を絞って描く、という作品。名優ぞろいなので飽きることなく最後まで観られるんだけど、演出の手つきが…

殺戮機械―魔王子シリーズ2(ジャック・ヴァンス)

今回のターゲットは<殺戮機械>ココル・ヘックス。敵対する部族に対して送り込んだ「独創的な死刑執行マシーン」にちなんで名づけられた二つ名である。手がかりを求めて奔走するガーセンは、ふとした機会からヘックスに誘拐されたある工場主と知り合うこと…

桐島、部活やめるってよ(吉田大八)

宏樹くんの今後は如何に?というオープンエンドなところ含め、「中学生日記」映画版といった趣でした。しかし正直個人的には世評ほど興奮できなかったのが残念。学校という世界の階層構造としての捉え方が図式的に過ぎると感じたし(あえてなんだとは分かり…

キャビン(ドリュー・ゴダード)

ちょっとネタバレ:結末にみる「絶望の後に残る詩情」のような感触が、そのベタさ加減ゆえに大好きなんだけど※、なるほど『クローバー・フィールド』の脚本の人だなと納得いたしました。今度は語りのトリッキーさとか構造のトリッキーさに拠らない正攻法の話…

復讐の序章―魔王子シリーズ1(ジャック・ヴァンス)

カース・ガーセンは幼いころに一族郎党を皆殺しにされた。敵は憎き5人の伝説的犯罪者「魔王子」※1。祖父の言葉に従い彼は厳しい鍛錬により知識と殺人術を身につけ、人生の全てを賭けて彼らを葬り去ると誓った! ヴァンスと言えば『竜を駆る種族』とこの魔…

ジャッジ・ドレッド(ピート・トラヴィス)

いつもの仕事のつもりで乗り込んだ高層ビル、しかしそこには数において圧倒的に勝る犯罪者の群れが!というシチュエーションは完全に先日観た『ザ・レイド』と一致してるんだけど、予算はなくても心意気と工夫で魅せるぜ!という志においても一致していたの…

ザ・レイド(ギャレス・エヴァンス)

あまりに流麗かつ苛烈な殺陣で、どうやって撮ってるのかさっぱり分からない(くらい凄い)という意味で映画の原初的な興奮を久々に味わわせてもらった気がします。躍動する身体が物語そのものという点で、バスター・キートン→ジャッキー・チェンに連なる系譜…

昔には帰れない(R・A・ラファティ)

今回の短編集の編み方とあとがきからすると、伊藤典夫さんの好みの作品は僕の好みの傾向とは違うんだな、ということが明確に。大雑把にいうと、伊藤選作品は無難に気が利いたオチ話といった印象。 ラファティに求めているのは、書いてあることはメチャクチャ…

ラースと、その彼女(クレイグ・ギレスピー)

ラースはアメリカ中西部の小さな町に住む寡黙な青年。兄夫婦は内気すぎる彼を気遣っていたが、ある日彼が待望の「彼女」を連れてくるという。しかし喜んで出迎えた「彼女」:ビアンカはラブドールだった。奇矯ともいえるラースの振る舞いに、当初町の人々は…

ブロンソン(ニコラス・ウィンディング・レフン)

監督作品は『ドライヴ』しか見たことがなかったけど、80年代の意匠でニューシネマ風アクションをやる、というのはあえて選択したスタイルだったのだなとよくわかりました。というのもこちらは全然違うから。ちなみに今作はイギリスが舞台だからか、リチャ…

ホビット 思いがけない冒険(ピーター・ジャクソン)

今更あえて申し上げるならば、『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズはエピソードの消化に追われて些か駆け足すぎて、映画として見た場合には平板な印象が最後まで拭えませんでした。(かつて思い描いていた絵をディテールを怠ることなく映像化してくれた、…