ザ・コンチネンタル(アルバート・ヒューズ、シャーロット・ブランドストロム)

 お手並み拝見と試しに見てみたらすごく面白くて一気に最後まで見てしまいました。むしろ本編より面白かったくらい。単独の「兄弟のクロニクル」として成立しているから※1、いっそ前日譚じゃなくてオリジナル企画でよかったのではとすら思いました(それだとフックが弱いのかな)。70年代ニューヨークの再現がすごかったから予算も相当だろうなと想像します。本当に雰囲気がよかったですね。

 ちゃんと最終回で戦いが盛り上がるように、亡父の背中にあこがれる寂れたカラテ道場を継いだ妹とか、謎の過去を持つ女刑事、戦争で傷ついたベトナム人の兄の妻、といったそれぞれの人物のバックグラウンドを丁寧に描いていたのもよかった。(本編のジョン・ウィックは2作目以降※2おもしろ殺陣披露大会になってそこが疎かになっていると思います。)侮っていたけど見てよかったです。アマゾンのオリジナルシリーズは微妙なのも多いからなあ…

☆☆☆☆

※1 武闘派の兄と知略の弟という組み合わせからいってもゴッドファーザーを意識しているのではないかな。

※2 1作目のすっとぼけたユーモア、殺し屋が公認されている特異な世界観、という独自性をなくしてしまったら只のアクション映画だと思うんだけど…

※ ところで監督は『フロム・ヘル』(あれは悪くない映画だと思っているのだけど)のヒューズ兄弟のひとり。そういう観点からするとオルタナティブ歴史ものとしても面白いですよね。