フォールアウト(ジョナサン・ノーラン他)

 ジョナサン・ノーランは『レミニセンス』しかり、終末世界にオブセッションがあるのかな、という印象ですね。でも、それらしき世界を構築するセンスは確かにあるなと感心しました。

 キャラクターとしては陰影のあるキャラとして、やっぱりクーパー(グール)が魅力的で、視点人物としての設定が絶妙だったと思います。原作ゲームファン(あるいは『ウエストワールド』などのファン)以外にも人気が出たのも納得でした。ウォルトン・ゴギンズは、少なくとも映画では感じが悪い殺され役での印象が強かったから、こういう幅のある役もできるんだなと新たな発見でした。(特殊メイクのせいか、ちょっとジム・キャリーっぽい瞬間もあるな。)

 あとアーロン・モートンが好印象だったので、征服者カーンの後任は彼でいいのではと思いました。(といいながらMCUへの関心はかなり薄くなってしまっているのですが…)

 それはさておき、ということなんだけど、サブスクのドラマってどうしても露悪的なショッキング展開と風刺劇で目を引くしかないのかな(そうじゃない方法論はないのかな?)、という気はしました。そういう観点で見てもよくできてはいるけど、視聴者を刺激する方向で引っ張っていったらエスカレートするしかないから。(ということを「ザ・ボーイズ」などでも毎回書いている気がします。)

☆☆☆1/2