レザボア・ドッグス(クエンティン・タランティーノ)

 公開時以来に見たけれど、今見るとやっぱり荒いし、いかにもインディペンデント作品といった雰囲気が拭えない。(ついでにいうとそこが当時のミニシアターっぽいのが面白い。)しかし使われている音楽の発掘の先見性が群を抜いているし(というかこの映画で使われて、それが全世界的にリバイバルして、いまや定番化しているというのが本当の順番なんだけど)、撮り方も堂々としていて、やはり処女作からして才能が溢れているなという印象でした。オレンジがリハーサルをして、本番で披露して、その披露している小話の世界にそのままなだれ込んでいく、という場面の鮮烈さが当時の僕の記憶のまま甦ってきて、やっぱりすごいなと改めて思いました。

 あえて苦言するなら、どうしてホワイトはオレンジをそこまで思いやってくれたのかな?ということを納得させてくれるエピソードがもうひとつくらいほしかったかな。

☆☆☆☆

※1 しかしネタとはいえ差別的な言辞はやっぱりいかがなものかと思うなあ。その後黒人擁護的なテーマを扱ったからといって免罪されないと思うけれど。

※2 モンテ・ヘルマンがプロデューサーだったんですね。意外。