『ブックスマート』は確かに新しかったけれど、この作品からすると残念ながらフロックだったのか、と思わずにいられない。バスビー・バークレーやバーレスク、洒落た郊外生活など凝った意匠も上滑りしていて、特に語るべきことがないなら作ることなかったのにな…と思いました。
『ステップフォードの妻たち』みたいに、夢のような生活だけど胡散臭くて不穏という映画はさんざん作られてきた訳ですが、新しい要素や提案はなかったように思います。コメディ作品からガラリと方向性を変えたのは、同じようなテーマを繰り返したくないというクリエイターの正直な気持ちだと思うけれど、もっと勝算が見込めるくらい煮詰めてからゴーした方がよかったのでは。(もともとフローレンス・ピューに全く魅力を感じないという個人的な好みも大きかったかもしれません。)
☆☆☆