THE FIRST SLAM DUNK(井上雄彦)

 観たあとでは、この構成しかないというつくり。バガボンドの呼吸で演出されているスラムダンクという風情でした。そして作品としては映画の『AKIRA』っぽい。 

 選手として試合の渦中にあるような臨場感がすごかったのと、フェイクの入れ方などの動きの付け方が素晴らしかった。時間の引き延ばしとか動作の誇張とか、映画ならではの嘘が絶妙だったのだろうと思います。

 上手いようなずるいようなと感じたのは、人間ドラマとしては「故意の言い落とし」でバックグラウンドを観客に委ねているところかな。ともあれ現時点のアニメの達成としては『スパイダーバース』に比肩する映画だと思います。

☆☆☆1/2