最初のバイクでの変身シーンで訳もなく涙が出て、それだけで充分とも言えるけど、あそこが最高潮でもあったな。一緒に観た子どもたちも楽しんでいたようで良かった。 ルリルリみたいな言い回し、よくわからない英語の気取った発音への拘り、鳴りっぱなしの劇伴、…
新しい音へのチャレンジの側面もすごく良くて、一発目ということもあるけど特に「未来エキスプレス11」が好きでした。※ 一方、歌謡曲サイドではやはり「アイリーン」が素晴らしかったです。カバーだったんですね(よく見つけてきたなと思いました)。原曲の…
悪くはないのだけど…グーグルアースってすごいですね、というのが率直な感想です。 というのも『スラムドッグ$ミリオネア』の時も感じたのだけど、「インドの過酷な環境から少年がサバイブする」という物語を欧米の監督が描く視点にどうしてもエキゾチシズム…
噂どおり面白かった。カリスマ女海賊にさらわれた料理人が心ならずも航海を共にするうちにやがて…という物語ですが、ダイナミックな海洋冒険描写も良かったですね。主人公のペダンティックな語りも訳文が的確と感じられ、翻訳者の仕事が素晴らしいのだと思い…
基本的には面白かったです。という前提で、実は裸足にこだわる必要ないのでは?というのと、奥さんは娘を助けに行けなんてエメットに甘えすぎでは?という気持ちが拭えなかったです。(そうじゃないと話が進まないのだけど…) ☆☆☆
もっぱら映画についての話なんですが、特にホラーとか復讐ものアクションで顕著な気がするけれど、「登場人物の造形が浅く、もしくはキャラクターの描写に十分な時間を取っていないから、結果、感情移入できなくて、襲われて死のうが生き残ろうがどうでもよ…
原作読んでるはずなのに全然覚えていませんでした…ところで短編の映画化に関しては、膨らませた部分が上手くいっているかどうかが勝負、みたいな所があるけど、実際のランタイムとは関係なく「短編そのまま」という不思議な印象を受けました。ソリッドなつく…
音楽がまさかのカーペンター御大だからその印象のためか、低予算で工夫して頑張っている感じとか、赤いエンドクレジットとか、70年代後半から80年代前半のSFホラーの雰囲気で、すごく良かったです。 というか、端的にいうと初期のクローネンバーグっぽい感じ…
敵も味方もあまり強そうじゃないのがなんとも…ただ真田広之と浅野忠信だけが気を吐いていたかなという印象です。 ☆☆☆
映画館で観た予告で侮っていたことをお詫びしなければ…と思うくらい面白かったです。ファンタジーにまつわるVFXも予想以上にこなれてたし使いこなしてた印象(ムマキルがよかったですよね…)。 全般に、聖剣発動シーンは無双だし、ヴォーティガンとの一騎打…
ここにきてブッツァーティの翻訳(最近「クマ王国」のアニメもありましたね)が盛り上がってきているのが嬉しい。発端は光文社新訳の『神を見た犬』じゃないかな?あの本で僕も教えてもらった感じだったのです。(この流れってカルヴィーノが90年代に盛り上…
端正なスパイ映画でした。今更ですがベネディクト・カンバーバッチは演技が素晴らしいですね。(もちろんオレグ役のメラーブ・ニニッゼもとてもよかったです。)平和を守るためという信念であえて祖国を裏切るというのはどのような気持ちだったのだろうか、…
(ちょっとネタバレ)びっくりするくらいど真ん中でした。およそハードボイルドという言葉から想像される全ての要素がもれなく入っていましたね。オースターこういうのも書けるんだな、というかそもそも「読ませる」技術には長けていたからな…あえてのアンチ…
昭和の人情喜劇を今韓国で作ったら、みたいな映画でした。脚本はもうちょっとブラッシュアップできる余地があったかな。 ところでマ・ドンソクは、今回みたいに「別に主役じゃなくてもいいし」というような、ほとんどデ・ニーロのポジション的立ち位置になっ…
先日見た「アフターライフ」はジュブナイルSF(特にスピルバーグオマージュとして)という側面からの80年代リバイバルだったけど、こちらは派手さと悪ふざけという切り取り方だったですね。(だからリメイク元の精神にはこちらが近い。)プラクティカル・…
オールスターキャスト映画※ということもあって、欧米版『八甲田山』だなと思いました。あ、だから『エベレスト』で合っているのか。 すごい映像でしたね。実際に現場で撮影したという意気込みが反映していたと思うし、こういうことがありました、というある…
『ロック、ストック~』や『スナッチ』を今やるならという感じだったんですね。語り手たる探偵の脚色がだんだん過剰になってホラ話じみてくるのも面白かった。キャストがすごく贅沢で、最近「得体のしれない人物」の役がやけに多いマシュー・マコノヒーがや…
すごく面白かった。ノワール・コメディという感じかな。どういう結末になるのか見ている間見当がつかないところがよかったですね。とにかく観客を面白がらせてやろうという作り手側の貪欲さが韓国映画の勢いを感じさせます。 ☆☆☆1/2 ※ところで、あれこの…
ギャンブル好きの青年チェットはタクシー運転手。ところが、馴染みのノミ屋のトミーが鉄砲で殺されたことであらぬ疑いをかけられて、対立する二つのギャング組織から追われることに!そこにトミーの妹まで乗り込んできて… ギャンブラー、正直そんなに多すぎ…
日本の原作であるにもかかわらずバンドデシネのアニメ化のような雰囲気でした。一方で、矛盾するようだけど実景を撮影したような生々しさ。(絶景という他ない山嶺の神々しさはもちろん、ビバークで夜を過ごすつらさとか、雪崩の質感とか。)映画とは「普通…
天真爛漫な主人公の少年バディの笑顔がいいのと、じいちゃんの警句じみたセリフが良かったですね。こういう状況はつらかったろうな。 ☆☆☆1/2 ※ジュディ・デンチ以外(とはいえ母親はダブリン出身とのこと)はアイルランド出身の俳優で固めているというの…
村上春樹のいつものやつという感じで気軽に楽しく読めました。しかしながら10年ちょっと前の時点の感覚であってもちょっとだけひやひやする要素がありましたね。(正直、初期の短編には今となっては笑えないな、というものもある。作者としてそこが更新さ…
やりたいことはよく分かるし、狙いは概ね上手くいっていると思うのだけど、些かパンチに欠ける印象でした。やっぱり敵役が地味だったのかな。シオニスはユアン・マクレガーの柄じゃないというか(悪役は演じられると思うけど)、いわゆるこういうサイコっぽ…
(今回は批判的な文章になるので作品を楽しく読んだ方は読まれないでください。)さて初期の頃からのファンで今も「熱心な」読者というのはどれくらいいるのだろうか?最初に結論を書くと、いつもの手癖で書いたほどほどの短編集という印象でした。 『女のい…
ベルティルのリアクションのくだりもさることながら、うえー…マジか?となる結末が心に残るドキュメンタリーでした。監督の意図はどうだったのかな。 ところで、俳優が再現ドラマとして演じているかと錯覚するくらい主役2人がフォトジェニックだったのと、…
呪術廻戦エヴァンゲリオン分校といった感じでしたね。作り手がどういう話にしたいのか明確だからOKと思うけど、そういう意味で最初から厨二上等という心意気だったのだと思います。画の書き込みはさすがに劇場版でしたが、アクションについては鬼滅のような…
タイトなランタイムであり、良く練られた脚本だと思いました。しかし評判の高さから期待しすぎたかな。 ところで我々観客は見ている間だけあの母親に付き合えばいいけれど、主人公はこれまでの人生を依存していたと考えたら本当に絶望しかないと思いますよね…
観たあとでは、この構成しかないというつくり。バガボンドの呼吸で演出されているスラムダンクという風情でした。そして作品としては映画の『AKIRA』っぽい。 選手として試合の渦中にあるような臨場感がすごかったのと、フェイクの入れ方などの動きの付け方…
テイラー・キッチュって『野蛮なやつら』からこっち、やさぐれ軍人あがり役ばかりやってる感がありますね。キャスティングがすごく贅沢なのはルッソ兄弟力なのかな。映画はタイトなつくりが好印象でした。特に「だんだん夜が明ける感じと主人公が疲弊してい…
チェーホフの小説はそこそこ読んでいると思うのだけど、戯曲は実はまだだったので、『ドライブ・マイ・カー』がよいきっかけだったので読んでみました。まあ、小説同様にやり切れないつらい話でしたね。しんどいことは多くても生きていくしかないじゃない、…