2008-01-01から1年間の記事一覧
『回路』は「この世ならざるもの」の空気をいかにして映画に取り込むか、が見所でした。だから主体である幽霊のアクションではなく、むしろそれに対する人間のリアクション(「パソコンのシミュレーション」「赤いビニールテープ」)に腐心していた訳で。 と…
翼賛体制のような近未来の戦時下の日本。そこでは「敵討ち法」という法律が施行され、凶悪犯罪の被害者遺族が加害者に復讐をすることが法的に許されていた。原作読者はよくご存知のように、舞台は一種の「ディストピアもの」。そしてこのジャンルが常にそう…
初期ジャッキーイズム溢れる快作でした。「昼休みに廊下で少林寺木人拳ごっこ」が共通体験の世代としては「役に立つのか分からない修行」と「飯を巡っての師匠との箸バトル」の完コピぶりに感涙。 ☆☆☆1/2
今回の宮崎監督はかなり自由だなあ。自由すぎる感じもあったけれど。支離滅裂な物語にどう決着をつけるのか、が映画最大のサスペンスになっているというのもすごい。あと伝え聞くとおり、今までの作品では隠し味的な要素だったエロスが今回かなり直球。宗介…
肌触りとフィット感が他のブランドのものと比べてひとレベル違う印象。袖を通した瞬間、ちょっと「おっ?」てなるくらい(まあその分少しだけ値もはるのですが・・・)。例えていうならラコステの生地をより繊細にした感じ(カチカチのカノコ地じゃなくて)…
月曜ロードショー世代の僕としては、ロッキーといえば羽佐間道夫なんだよね。という訳で、吹き替えで見たのですが、やっぱり何だかこみ上げるものがありました。 しかしあのテーマ曲がなければあそこまでロッキーが善戦できたかどうか・・・最近キャラの立っ…
以前なにかの記事で、「日本に少年マンガ、少女漫画というジャンル分けがあるのに対し、欧米では男子のヒーローコミックに対応する少女向けのコミックというものがないけれども、例えば(『ヴァンパイア・クロニクル』などで知られる)アン・ライスのような…
「情報を制するものが勝負を制する」という言葉を目にすると、「決定的な情報を入手した方が勝利する」という意味だと捉えがちですが、それよりもっと上流の「情報の出所をコントロールする者が勝負を制する」ということなんだなと。そういうことが国際社会…
id:Dirk_Digglerさんのこちらの記事に触発されて。恥ずかしながら初見だったのですが、車、バイオレンス、おっぱい(+スタ)なんて、みんなの大好物がてんこ盛り。そりゃあカルト映画にもなろうというもの。コーマン御大が、いかにハリウッドで100本の映画…
映画ファンにはクローネンバーグの『スパイダー』やスティングの『グロテスク』の原作者として知られる作家の短編集。 この作家は常軌を逸した偏執的な主人公が語る「信頼できない語り手」系の小説で有名なのですが、実は父親が高名な犯罪精神病院の院長で、…
アレンは本当にスカーレット・ヨハンソンが好きなんだな、とよく分かる映画だったし、概ねそれが全てと断じてもいいくらい。これだけステキに撮られてたらまあ女優冥利に尽きるでしょうね。直接的な描写は控えめなのに『マッチポイント』より色っぽいし。 そ…
この監督の映画に自分が期待してたのは、やっぱり「おもしろうて、やがて悲しき」みたいな話だったのかな。最後の大アクションが大アクションである必然性に乏しいというか・・・単純に、敵役の画づらが厳しかったのか? 前半の「坊ちゃん」みたいな(『ウィ…
SFマガジンに掲載された作品のうち、各作家の短篇集などには収録されなかった作品を集めたもの。悪く言えば落葉拾いなので、有名作家たちの作品でありながら「ものすごくインパクトのある傑作」はない。表題作を除いては。 熱心なSFファンでなくともタイ…
「ニホンノミナサン、コンニチハ!」と二人してニコニコしながら宣伝しておいて、冒頭原爆実験を叩き込んでくるとはすごいブラックジョークだな、と感心しきり。ハリウッドの原爆に対する無神経さは変わらないね・・・(一番ひどいのはやっぱり『トゥルーラ…
ウィル・フェレルは主演より助演の時のほうが輝いてる気がして、主演作は正直微妙なやつもあるけれど、これは面白かった!大ネタ・小ネタの波状攻撃でこちらが回復する間を持たせずにコンボを畳み掛けてくるから、足元からくずおれるしかないという感じ。以…
スペイン靴って、今まで僕の中ではあまりピンとこなかったのだけど、ヤンコは同価格帯の靴よりも質が高いという噂を聞いて買ってみました。確かにしっかりした作り。最近はスタイリッシュさの演出としてシェイプを絞ったものも多いけれど、ウィズが比較的ゆ…
個人的には後半失速気味だったのが残念な『週刊真木よう子』でしたが。以下ベスト3を。 1.「中野の友人」:コンセプトである真木よう子主演、ではないというイレギュラーな回だったけど、劇中でも言われるように主人公である井口昇の「ギリギリぶり」が山…
今朝のとくダネ!でもいってたけど、雑誌のランキングで「世界で最も暮らしやすい都市」東京が3位だったとのこと。しかしそれ以上に、「ショッピング」の分野で地元が1位だったのが嬉しかった。でもこれって経済誌ではなくて「MONOCLE(モノクル)…
なんで日活アクションにジェット・リーが?って思ったら渡哲也だったよ。 場面の整合性より「気持ちのいい画」の快楽原則に忠実なところが『殺しの烙印』まであと一歩。確かに格好いいんだけど、娯楽作としてはここが臨界点かな。「柱を挟んだ至近距離でのあ…
結構前に『コワイ女』をDVDで観たのですが、特典はそれぞれの監督がゆかりのある他の監督と、シーンごとの演出意図について語り合うという形式のコメンタリーでした。 その中の一作である「うけつぐもの」は豊島圭介に篠原哲雄というちょっと意外な組み合…
鑑賞後「なんじゃこりゃ!?」ってなる奇天烈映画でした。感触は『地球に落ちてきた男』に似てる。全然タイプの違う話なんだけど。 精神病院のクリケット大会でアンソニーは「叫び声で人が殺せる」とうそぶく男と知り合う。男はクリケットをプレイしている患…
あれ、この映画観たことあるな・・・とデジャヴに襲われたけど、話のつくり自体が典型的ということはさておき(それは確信犯だから)、原作のキングのストーリー・テリングがいかにビジュアルの喚起力があるかということですね。本当に読みながら想像してい…
あまりハズレもなくいいアベレージで来てるなぁ、と「週刊真木よう子」を毎週楽しみに見てるのですが、そのオープニングで本人が歌っているのが、「Gee Baby Ain't I Good To You」。これ、『マスク』でキャメロン・ディアス扮する歌姫が(というかスーザン…
話はちょっと緊張感が欠けててあれですが、星ナオミは確かにかわいい。 ☆☆☆
解説にもありましたが、最近の欧米文学ではSFやホラーの要素を導入した「突拍子もない出来事が起こるのだけど、主人公たちは身の回り半径5mのことで頭が一杯」みたいな話がトレンドのようです(収録作「ドッグズ」はSFマガジンで紹介されてたらしい)…
小説を読んだときのイメージでは「幼い頃からタフガイぶらないとサバイバルできないほどのルックスで、刑務所で慰み者にされることを真剣に恐れなければならないベビーフェイスの27歳」という設定なのでモンティの想定モデルはレオナルド・ディカプリオな…
厳冬のNY。麻薬取引で逮捕されたモンティは、収監を前にして親しい人々との最後の夜を過ごす。刑期は7年。タイムリミットの24時間は刻々とすぎていく。彼を迎える人々の胸を去来する思いは? 作者は様々な職を転々として(EX.用心棒、学校教師、DJ)小…
ディレクターズ・カンパニー(ロマンポルノの残照)、ATG(マニア向け)、池田敏春(鮮血の魔術師)という要素の組合せから、大方の人が想像するとおりの映画でした。 ひらたくいうと「女ランボー(エロス風味)」。リアルタイムで観てたら結構トラウマだ…
アクションシーンのストーリーボード片手に「こんな面白ガンアクションを思いついたんだけど」「よし、それ映画にしよう!」という製作経緯そのままの映画だったすね。 「そんな無茶な・・・香港映画やなぁ」とあちらの映画ならバカアクションでもそういうも…
噂にたがわぬ人体破壊の凄惨さ。ところでカオスな状況の戦場の描写においても、位置関係(誰が誰をどうやって倒そうとしているか)がクリアなのがすごい。編集の人がいい仕事してた。 無邪気に興奮して観ていた2作目、3作目を顧みて、いろんな意味で、敵役…