個人的には後半失速気味だったのが残念な『週刊真木よう子』でしたが。以下ベスト3を。
1.「中野の友人」:コンセプトである真木よう子主演、ではないというイレギュラーな回だったけど、劇中でも言われるように主人公である井口昇の「ギリギリぶり」が山下淳弘演出にピシャリはまってました。出口の見えないどん詰まりの生活でも、ささやかな出会いに救われることもある、というしみじみいい話。でも冒頭から明らかなように、それが何かの突破口になる訳ではない、というのがまたリアルなんだけど。リアルといえば、バイト先の女の「交渉」にウェーってなりました。
2.「おんな任侠筋子肌」:こういうエピソードがもうちょっと多ければ、もっと盛り上がったのに、という気がします。同じ路線の「トラ・トラ・トラ」は日本版『デス・プルーフ』だったけど、ディテールの豊かさとサービスのてんこ盛りぶりでこちらに軍配が。「女囚さそり」みたいな挿入歌が最高でした。
3.「ねぎぼうず」:脚本・監督が様々で「それぞれのカラーを活かしたカラフルなストーリー」がウリの企画だったはずだけど、ふたを開けてみたら意外と「薄幸なキャバ嬢が主人公のペーソスあふるる日常を描く」という話ばかりというイメージだった。そういう系のエピソードではこれが一番よかったかな。実は気になってリリー・フランキーの原作も読んだのですが、主人公が追い求める「平穏な家庭生活」をネギに象徴させる(なぜなら一人暮らしでは丸々1本は買わないから)といった教条的な描写がちょっとあれだった・・・このドラマ化ではそういう部分は視聴者が行間を読むに任せて、シンプルな話に徹したのがよかったと思います。
見るドラマがなくなって寂しくなるなぁ・・・