映画
そういえばリメイクあったね、という遠い記憶でしたが初めて見ました。2000年代特有のクリアで平板なルックで、やっぱりオカルトだったりホラーだったりが70年代に流行ったのは、(ニューシネマあたりからの)粒子も荒々しいフィルムだったからこその見た目…
ありえないロケーション(というかセット)、ビビッドな色使いなど、タランティーノやレフンが傾倒しているのもよく分かる。任侠のよく分からない人間関係はなるほどジョン・ウーだなとか。格好いい画が撮れたら話はどうでもいいと割り切っているのがよく分…
いやー最高でした。潜入捜査ものなんだけど、「潜入」と知られるのが中盤というように展開が変則的なのが試みとして新鮮だったし、抜き差しならぬ状況(見ている方がどうにも仕方ないと納得するような)を生み出すための脚本が良く練られていて、かつ、演出…
もっと映画に対する憧憬だったり映画の腕前を磨いたりする場面が多いのかと思ったら、こんなつらい少年時代を送りましたという話が専らだったのでこちらもつらかったです。(まあ一度どこかで吐き出したかったのかもしれない。) 何というか、スピルバーグは…
90年代にこんなことが起こっていたなんて、という驚きがまずあるのだけど、邦画だったらアリバイ的な現地ロケとかなんちゃって外国人みたいな微妙な要素が多くなるところ、スケール感といい斟酌する必要がない規模で描かれていて(監督作でいうと『ベルリ…
オフビートという表現でも生ぬるいような常道の話法を脱臼する語りで、まあこういう感じがいわゆる「ミニシアター系」というエコシステムの中でのみ育まれうる状況だったんだよな(1989年)、という感じです。全世界的にそうだったのかな?今ならどういう流…
ステイサム映画というジャンルがあるように、マ・ドンソク映画というジャンルが確実にできたなと思いました。それにしても韓国映画のアクション演出の的確さは素晴らしいですね。最初ハリウッドの模倣で手探りから始まった頃からすると躍進著しいと思います。…
もともとザック・スナイダーが手掛けたシリーズについてピンときてなかったけれど、残念ながらこの作品も同様でした。大味というのかな…それと個人的には『ザ・ボーイズ』のおぞましい世界観が影響して、ヒーロー映画のパロディみたいについつい見えてしまう…
ドラマ映画ともスリラーとも言えないような名状しがたい奇妙な映画である時点で、傑作ではあるかもしれません。公開当時の評判から結末はなんとなく予想できたけれど、そもそも「シャロン・テート事件」を知らないと、この映画が狙っているカウントダウン・…
前作が結局「やつ」との対決だったということで、いつもの塚本作品だなというところがあったのだけど、今回はいやだいやだ…という雰囲気の醸成に徹したというか、明確な対決構図じゃないのが、よりJホラーだったのかなと思いました。(話はすっかり忘れてた…
ドキュメンタリーとしては薄味だけど、なるほど戦争に翻弄された人生だった(あの時代の人は皆そうであるともいえるけど。)というのと、見ている分には錯視的な面白さに惹かれるけれど、画家としては内から湧き出る切実さに突き動かされて描いていたのだな…
物語の枠は直球でダイ・ハードかつホーム・アローンであって隠すつもりもない感じだったけれど、まだこういう見せ方があったのかという工夫が嬉しい作品でした。かつとてもウェルメイドで細部への配慮が行き届いていて、「信じる心の強さと思いやりの気持ち…
正直『キル・ビル』のアニメパートをエドガー・ライトが撮ったような作品だけど、というか有体に言って『ブレット・トレイン』(物語はジョン・ウィックでありグロリア)だけど、(先日退屈過ぎて最後まで見ることができなかった)『355』より面白かった。し…
(好きだった方は読まれないでください)個人的にはA24の良くないところが出た作品だなと思いました。気取ってるな!というか、ファインアート・フォトグラフィーを映像の連なりとして撮ったら映画になる、と思うなよ!というか。(逆にそう割り切ってくださ…
『L.A.コンフィデンシャル』がすごく好きだったので、公開当時はデ・パルマがどのように料理してくれるのか楽しみに観に行ったのだけど、何となくぼんやりと面白かったような気はするな…という記憶で。改めて見てみると、やっぱり何となくぼんやりした映画で…
伝説的なアートアニメーションですが、ようやく見ることができました。インパクトのある画と発想が全てだけど、やはりすごかったですね。ところで諸星大二郎の絵って、完全にこの作品の影響を受けているのではないか? ☆☆☆1/2
始まってしばらくしたら話の行く先は大体想像がつくのだけど(何といってもジャンル映画なので)、悪役の造形とか展開が無茶だな(良くも悪くも)と思いました。誰もが指摘するところだと思いますが、アルジェントなどのホラーアイコンにとどまらず、デ・パ…
アマゾンにあったので再見。ものすごくJホラーの文法が活用されていて、もっといえば『CURE』だった。すごく時代を感じますね(2006年の携帯ってこんなだったっけ…とか、hitomiなあ…とか。しかし大根なのは狙いじゃないかな)。塚本監督のメジャー作品は、実…
ソン・ガンホもカン・ドンウォンもさすがの上手さでした。それはさておき、この2人だとどうしたって『義兄弟』を思い出さずにいられないのだけど、是枝監督は実際そこから起用したとのこと。普通すぎて逆にびっくりしました。あと、イ・ジウンが松岡茉優に…
何から何まで説明しない簡潔な語り口が素晴らしい。加えて、殺し屋兄弟(設定上は兄弟だったんだそうです)の造形がよかったですよね。細かいところだと、殺し屋のハンドラーがジャックの報告を受ける時、大丈夫なふりを装っている足の負傷を「どうかしたの…
濱マイクシリーズが好きで、ジパングやキャッツアイも面白いかどうかはともかくサービス精神がいいなと思っていました。という訳でアマゾンで初めて見られたのでよかったです。 まあエログロ抜きの江戸川乱歩的世界ですよね。雰囲気は十分あったかな。タイト…
子どもの頃、鎌がフィーチャー(パース!)された煽情的なポスターにビビりまくって、あれってトビー・フーパーだったんだ、と分かってからも観るタイミングを逸して今に至っていたんだけど、アマプラで見ました。狂ってる!『悪魔のいけにえ』とベクトルは…
特異なキャラクターデザインの面白さや動きの演出の滑らかさは良かったのだけど、肝心の楽曲や舞台効果的なものは奇抜さを狙った凡庸という感じがして。わざと時代にそぐわないようにとロック風にしたのだと思うけど、ありきたりな印象でした。 ☆☆☆ ※物語の…
ごく大雑把な枠組みでいうとビジランテものなんだろうけれど、どこに連れていかれるのか分からない面白さも含めてよかったです。(着地はどこなんだ?という面白さの連想で『ヘッドハンター』を思い出したのだけど、あちらはノルウェー映画だったんですね。…
すごく子供向けという感じがして(キャラクターデザイン(特に署長)とか話の運びとか)、対象が正にそうなんだからそれ自体は正解なのかもしれないけれど、正直物足りなかったですね。主体的にいいことをしようとする契機にすっきりしない部分があったから…
舞台劇原作といわれたら信じてしまいそうなつくりの密室劇でしたね。まああるタイプの典型であって、普通かなという感じ。(※意外とデイミアン・チャゼルが脚本に参加してたりするんだけど。)私たちの戦いはこれからだぜ!という結末だけど、お疲れ様です、…
(ネタバレ)『ローグ・ネイション』の現場は、設定だけ決めてとりあえず撮ってみるというような香港映画みたいなスタイルだったという(あの緻密さからすると)俄かに信じられない話が伝わってきたけど、その点で言うとむしろ『フォールアウト』の方が専ら…
なんていうか、「君たちはどう生きるか!」というより「こんな夢を見た」みたいな抽象的な作品でしたね。というか「俺はこう甘えるんだ!」っていうすごくエクストリームなプレイを見せられた感じだった。答えて曰く「自分は結構であります!」 しかしいつ終…
内田けんじ作品はどれも好きなんですが、やはりこの作品が一番好きかな。緻密な組み立てに目が行くのであまり言及されないけれど、ダイアローグが実はすごく上手ですよね(特に勇介のセリフ)。『アフタースクール』にもあったけれど、清く生きられる人とそ…
こんなにオッパイがいっぱいな映画だったとは。小学生くらい(多分)に初めてTVで見たときはそういう印象なかったから、おそらくカットされてたのかな。ちょうどいいサイズになるし。 今いろいろ映画を見た上で顧みると分かるけど、『パララックス・ビュー』み…