悪魔の沼(トビー・フーパー)

 子どもの頃、鎌がフィーチャー(パース!)された煽情的なポスターにビビりまくって、あれってトビー・フーパーだったんだ、と分かってからも観るタイミングを逸して今に至っていたんだけど、アマプラで見ました。狂ってる!『悪魔のいけにえ』とベクトルは違うけど、美術といい演技といい、発狂が発酵してた。名作ですね。

 とにかく赤が基調のライティングが不安感をいや増すし(というかそもそもあんな汚いホテルに泊まること自体が常軌を逸してるのだけど)、登場人物がことごとく狂っているし(ウィリアム・フィンレイ普通に怖いよ)、田舎の警察が信用ならない感じだし、音楽がまたね…何というか電子音混じりのノイズミュージックというのか、女児の叫び声が幻聴のように混濁していて、聞いてるこちらも気が狂いそう。つまるところ、あれってホテルオーナーのジャッドの頭の中で鳴り響いている音なんでしょうね。セリフからするとベトナム帰りっぽいのだけど、時代を感じさせる設定でした。

☆☆☆☆

※妹を探すリビーが必要以上に美人だったな。そしてみんな必要以上におっぱい出すね。