マリグナント(ジェームズ・ワン)

 始まってしばらくしたら話の行く先は大体想像がつくのだけど(何といってもジャンル映画なので)、悪役の造形とか展開が無茶だな(良くも悪くも)と思いました。誰もが指摘するところだと思いますが、アルジェントなどのホラーアイコンにとどまらず、デ・パルマヒッチコック?)の流麗なカメラ等、俺こういうの好きだったんだよねという気持ちがあふれていましたね。

 それはさておき、そしてあまりこういう作品で真面目に考えても仕方ないけど、物語の発端となっている事件をもっときっちり解決しておけば、警察などの無駄な人死にが出なくてよかったのに、平仄が合わないなとは思いました(あまりヤッホー!とはならなかった)。昔のホラーは乱暴な設定が多かった一方、語り口もひどかったから気にならなかったけど、現代の整ったカメラで一見真面目そうな雰囲気で説明されると、逆に気になってしまうのかもしれません。

☆☆☆1/2