パーマーの危機脱出(ガイ・ハミルトン)

 オースティン・パワーズの眼鏡の元ネタである、という情報との関連でしか正直知らなかったので、007フォロワー的なお気楽な映画なんだろうと思い込んでいたのだけど、なんの、ニヒリスティックなトーンが支配する正統派エスピオナージュでした。※
 冷戦下の東西ベルリンを舞台に、スネに傷ある男達が生き残りを賭けて騙し合うという、そういうジャンルがお好みの向きには大好物な設定。ちょっと悪めで大人の色気のある男、しかし行動原理には反骨精神がある、という一筋縄ではいかないキャラクターをマイケル・ケインが好演しております。
☆☆☆1/2
※元々007製作に関わっていた人たちの別コンセプト作品だったようですね。